第23回
浜松にて世界の楽器をみてきました
2016.08.28 [寒川晶子]
先日、のんびりとぷらっとこだまで浜松に行ってきました。
ぷらっとこだまは最近人気のようで、ビジネスを目的とした、長距離を便利に早く移動できる「のぞみ」と違い、のんびりと女性一人で贅沢に時間を使うような、きままな旅行に向いているように思います。できるだけ早く移動したい、という思いがなければ「こだま」はとても快適です。
時期によっては早くに計画を立てないと入手できないほどの人気のようですが、その人気に乗っかって販売店に駆け込むことも、ある意味ではワクワクし、「どうしても欲しい」とまで気持ちが高まります。
待ち合わせなどにより時間が前後しますが、新横浜から浜松まで、こだまで約1時間40分ほど、のぞみやひかりが通過していくのを待つために何度か駅にて途中停車。この静かな時間も贅沢です。駅弁を食べながら、のんびりと窓から空や景色を見ました。
乗車中の快適さに慣れてしまうと、目的地に着いたときの寂しさが込み上げます。
浜松に着いた時には「あ~着いてしまった」とつぶやいてしまいました。笑
浜松といえば、楽器メーカーの本社が集合する街で、ヤマハ・カワイの国内2大ピアノメーカー、それ以外には電子音楽製品のローランド、ボス、リコーダー/オルガンなどの鈴木楽器製作所があることで知られます。さすがと思わせるところが、新幹線浜松駅ホームから改札に降り立つと、ピアノのショールームがあり、自由に演奏できるのです。こちらのショールームは、「YAMAHA」と「KAWAI」 で定期的に交代して展示されるようで
今回、私が訪れたときは、「KAWAI」の立派なピアノが展示されていました。
その空間で、音楽一家?かと思われる家族4人ほどがショールームに立ち、50歳後半から60歳位の女性がお孫さんにピアノの指導をしている光景を目にしました。まさにこれは公開レッスン! 贅沢な公共空間の使い方をする家族を拝見し、驚きました。
今回の目的は、浜松市楽器博物館に訪れることでした。楽器博物館は、市が推進した「音楽の街づくり」の一環として、1992(平成4)年から開館準備がスタートし、1995(平成7)年にオープンした、日本で唯一の公立楽器博物館です。「世界の楽器と音楽を平等に扱う」という世界に誇るコンセプトのもと、多種多様な世界の楽器の展示や各テーマに基づく活動は、国内外から高く評価されているようです。 到着してすぐに入り口で出迎えてくれたのは、「クローン・エー 」
見慣れない姿なので、着いて早々、ワクワク。
この楽器はタイで使われている最大級の太鼓で、「クローン」は太鼓の総称、「エー」はくびれの意味で、タイ北部の仏教寺院で僧侶や村の人々に儀式などの合図を送るのに使われるようです。
展示は第1展示室にはアジアと日本の楽器、第2展示室にはオセアニアとアフリカ、アメリカ、ヨーロッパの楽器、第3展示室にはヨーロッパの鍵盤楽器第4展示室には国産洋楽器と電子楽器 、と1階と地下1階の広い空間に世界の楽器が集結しています。
入館して、すぐに展示されていたアジアの楽器コーナーに圧巻!
日本もアジアだよね?? 同じアジアの仲間なのに、初めて見るものいっぱい!!
大きな楽器が多く、そしてキラキラ光っていたり、絵が鮮やかな色で描かれていたりします。すべてが目から鱗な空間だったのですが、中でもバリ島の竹ガムラン「ジェゴッグ」に惹かれました。
宗教儀式にて演奏されるので、絵がすごく鮮やかで、その楽器が群を成して並んでいる姿はまるで竜が天に昇るかのようです。 実際にその群に一人ずつ構えてアンサンブルをする姿は展示と一緒にあった記録映像の演奏で感動しました。博物館にて展示されていたものは、世界最大の竹ガムランで、世界中を探しても同じ規模のものが展示されている例はないようで、そんな貴重なものを、国内にて拝観できます。
キラキラでいえば、もう一つ、光放つ巨大な楽器がありました。
ミャンマーの「サイン・ワイン」です。
太鼓やゴングを中心とした打楽器で、佛教儀礼や舞踏、演劇の伴奏などで使うミャンマーを代表する伝統楽器。中央には「パイン・ワイン」という調律された太鼓が20個前後円環状に配置されて旋律を奏で、周囲にもゴングやリード楽器、拍子木などが配置され、複数の人で合奏するのです。「サイン・ワイン」はそれらの集合した全体のことを呼ぶそうです。
さてさて、想定外です。まだ拝観しているのは展示室全体の4分の1でしょうか。
アジアのコーナーだけで1時間半も過ごしてしまいました。気づけば、入館時に入ったときと違う客層に変わっていました。
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