第29回
美しさと迫力を兼ね備えた桜 ~福島県二本松市・合戦場のしだれ桜~
2016.03.23 [秋野 深]
■自分が動いて違う角度から見ることで、被写体の様々な魅力を発見してみよう!
ところが、合戦場のしだれ桜は、幹のそばまで近づいてみると印象が一変します。幹に近づき桜を見上げてみると、しだれ桜の優雅さや美しさというよりは、四方八方へ枝を広げる迫力が何より際立って感じられるのです。
そこで、【写真3】は、その見上げた時の迫力を表現しようと、桜がはみ出すことは前提で画面いっぱいに捉えてみました。
同じ桜でも、自分の立ち位置や見る角度によって全く印象は違うものです。これはどんな被写体を目の前にする時でも共通することですが、写真を撮るうえで「自分が動いて違う角度から見る」ということはとても大切です。その大切さを、私はこんな言い方でお伝えすることがあります。「自分が動けば見える風景が変わる。見える風景が変われば撮れる写真が変わる。」
当たり前のことのようですが、「動いてみよう」と意識しないと、往々にしてある場所からの見え方だけに印象が支配されてしまいがちです。自分の写真がいつもワンパターンになってしまうと感じている方なら特に強く意識してみることをお勧めします。
このことは、レッスン2の「基礎編(2)ワンパターン写真から卒業!」で触れた「同じ場所でも全く違うタイプの写真を撮るように心がけてみる」というアドバイスにも関連するところです。
桜の撮影については、レッスン17「背景に配慮して桜の色彩を上手に表現しよう!」、レッスン18「桜とその場の風情を上手に表現しよう!」でも取り上げていますので、出かける前に、ぜひ目を通してみてください!
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