第37回
ユニークな「サンドイッチ型」城下町 ~大分県・杵築~
2016.11.09 [秋野 深]
大分県の大分市や別府市から大分空港方面に向かう途中にある杵築(きつき)市には、日本唯一の「サンドイッチ型」をした大変個性的な城下町が残っています。
城下町がサンドイッチ型って一体どういうことなのでしょう?
何はともあれ、まずは自分の足で確認です。サンドイッチ型の城下町を実感すべく、町を散策してみました。
天守閣が少し高台にあって周囲に町が広がっている・・・というのは、よくある城下町の光景ですよね。ところが、この杵築には、天守閣のある高台とは別に、武家屋敷が残る南北2つの高台があって、その間の谷間が商人の町になっているのです。つまり、商人の町が、2つの武士の町にサンドイッチ型にはさまれた形をしているというわけなのです。
■ユニークな城下町の中に、今も人の暮らしがあります!
高台の武家屋敷街の一角には【写真1】のような昔の風情を残す通りがありながらも、杵築のユニークな城下町は、今も人々の生活の中で息づいています。
それを象徴しているのが、2つの高台から商人の町へ降りていくV字型の坂道です。
高台から高台へ歩くときは今もこの坂をいったん下りては上るということになるので、なかなか大変です。
高台には小学校があって、私が訪れたのはちょうど下校時刻。学校帰りの子どもたちと話しながら坂道を一緒に歩きました。毎日のこととはいえ、さすがに小学校低学年くらいだと通学路でこのアップダウンの坂道は大変なのでは?と訪ねてみると、「もう慣れた!」という子もいれば「慣れない!きつい!」と肩で息をする子も。そう言いながらも、みんな子どもらしく、自宅のあるもう1つの高台へと元気に駆け上がっていきました。
■時間帯次第で、旅先での町歩きも思い出深い体験に!
私は学校の下校時刻のこの時間帯に、旅先で町中を散策するのが大好きです。だいたい午後2時~3時台くらいでしょうか。下校途中の子どもたちと一緒に時間を過ごして町のことを教わったり、たまたま行き先が同じ方向であれば、しばらく一緒に歩いたり・・・そんな過ごし方が可能な唯一の時間帯です。
たとえ短い時間であっても、地元で暮らす人々との交流は旅の大きな魅力の1つです。その時たまたま出会った人々との一期一会の会話は忘れられない旅の思い出になりますよね。
皆様も、旅先で町歩きをする時には、ぜひ時間帯を気にとめて過ごしてみてはいかがでしょうか?
- 2017.06.08
- 2017.05.11
- 2017.04.29
- 2017.03.28
- 2017.02.11
コメント