写真家・秋野深のやさしい旅のフォトレッスン

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第2回
基礎編(2) ワンパターン写真から卒業!

下の2枚の写真の捉え方の違いを見てみてください。


【写真1】


【写真2】


【写真1】は、広めに捉える広角ズームを使って、通りで串焼きを焼いているお店の人の様子を写しています。【写真2】は、串焼きだけを望遠ズームを使ってアップで撮ったものです。同じところで撮影した写真ですが、捉え方が全く違います。捉え方が違えば伝わるものが違ってくるのが写真です。【写真1】では、どんな人がどんなところで・・・という場の様子が伝わりやすいのに対して、【写真2】では、作っている串焼きはどんなものなのかが具体的に伝わります。

【写真3】【写真4】も全く捉え方の違う写真です。
どちらも豪雪地帯の古い民家のある場所で撮っていますが、厳しい寒さもいろんな撮り方で伝えることができるのです。

【写真3】
【写真3】
【写真4】
【写真4】

ポイントは、広めに写す場合、ただ漠然と広くではなく、「何か」と「何か」をセットにするように意識することです。【写真1】では「人」と「串焼き」を、【写真3】では、「民家」と「山」をセットで考えて広く捉えています。
さらに大きくアップで撮る場合は、画面からはみ出すことを恐れず思い切り大きく撮ることです。狙ったものが画面からはみ出さないように・・・と意識しすぎると、画面の真中あたりにポツンと写すだけになってしまって、せっかくアップで撮ったのに印象が薄いものになってしまいがちです。

このように全体を捉えたり、一部分を捉えたりして、同じ場所でも全く違うタイプの写真を撮るように心がけてみると写真にもメリハリがついてきます。それは写真を見る人にもそのまま印象の違いとなって伝わり、写真を見ていても変化があって楽しいものとなります。
旅先でなくても、お散歩や通勤の途中でも、そんな意識をもって周囲を見てみてください! きっとワンパターン写真からの卒業のきっかけになるはずです。

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