第11回
旅先の通りの雰囲気を上手に表現しよう!
2014.09.16 [秋野 深]
旅先で初めて歩いた道なのに、なんとなく心地よさを感じたり、たまたま通ったところなのに「この通りの雰囲気、好きだなぁ」と立ち止ってみたり・・・。
有名な観光地の通りであれ、喧騒から離れた小さな路地のようなところであれ、そんな気持ちにさせてくれる場所に思いもかけず出会ったご経験はないでしょうか?
今回のレッスンでは、そんな旅先で歩く通りの雰囲気を写真で上手に表現するための大切なポイントをお伝えします。
■漠然と撮っただけでは、伝わりにくい
テーブルに並べられた料理、足元に咲く一輪の花、目の前で話している人・・・こうした特定の物や人を撮影する時と違って、「通りの様子や雰囲気」の撮影をする時は、どこを写せばよいか迷いがちです。料理や花や人ならば、捉えようと思うものがはっきりと定まりますが、通りの様子を撮ろうとする時は、特定のものを狙っているわけではないからです。
そのため、往々にしてなんとなく広く漠然と通りを写しただけの写真になりやすいのです。写真としてはその場を写したことはわかるものの、これといって何か強く印象深く伝わるものがない描写になってしまいます。
■通りの特徴をしっかり強調して捉える!
通りそのものは広く漠然としていても、気に入ったきっかけや、目を引くものが何かあるはずです。まずはそれを意識することからです。ご自身が見つけたその通りの特徴といってもいいかもしれません。
行き交う多くの人々から感じる活気、レトロな雰囲気を醸し出す看板、通りの先に見える大きな建物、足元に続く石畳などなど・・・その通りを個性的なものにしている特徴がきっと何かあると思うのです。
例えば【写真1】では、少し高い位置から撮ることで、アーケード街の奥の方までひしめき合うように商店が続き、買い物客でごった返している様子を強調しました。【写真2】は、通りをカラフルに彩る特産品の「ぼんぼり」をメインにすえて通りを写しました。
【写真1】
【写真2】
こんなふうに、強調することをしっかり意識して撮影すると、なんとなく漠然と撮影した写真より印象もはっきりとしてきます。ぜひ、シャッターボタンを押す前に思い出してみてください。通りの個性を発見してみよう!という感覚で歩くと、きっと旅先で何気なく散歩をするような時間も自然と楽しいものになってくるはずです。
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