「お得な旅行はありますか?あれば教えてください」

お客様よりいただくご質問の中でも、特に回答に困ってしまう質問です。何をもってお得と感じるかは十人十色だからです。しかしながら、長年パッケージ旅行を企画しているなかで、「お得感」を感じない旅行は、絶対にお客様には選ばれない、というシビアな現実に気付きました。

私はこのようなご質問をいただいたときには、企画担当者からみた「旅行代金のわりに内容が充実していてお得感がある」パッケージ旅行をおすすめしています。

ちまたには、新聞広告などで目にするような「格安駆け足ツアー」や何もかもが豪華で全てを添乗員にお任せする「お姫様ツアー」など様々な旅行があふれています。企画担当者の舞台裏をお話すると、「格安駆け足ツアー」や「お姫様ツアー」を企画するのは、定番コースの肉をそぎ落としたり、肉付けしたりするだけで意外と簡単なのです。

ですが、「旅行代金のわりに内容が充実していてお得感がある」パッケージ旅行を企画することは、難しいのです。旅行代金も抑えつつ、他社とは違う工夫(差別化)を張り巡らす必要があるからです(同時に腕の見せどころでもあるわけですが・・・)「旅行代金のわりに内容が充実」という13文字は、私たち企画担当者の頭を永遠に悩ませる13文字なのです。

では、「旅行代金のわりに内容が充実」というパッケージ旅行とは、どのような内容かについて、最近発売されたイタリアへのパッケージ旅行を例に挙げ、ご紹介しましょう。

イタリアは、世界遺産登録数が世界一、都市国家の独自繁栄とキリスト教文化の歴史など見どころも多く、日本人旅行者に人気の高い国です。しかしながら、これも曲者で、企画担当者の立場からいいますと、多くの旅行会社がパッケージ旅行を企画し、観光資源が開発され尽くされた国ともいえます。つまり他社とは違う工夫(差別化)を非常につけにくい国でもあるのです。

このような場合、他社とは違う工夫(差別化)のレベルとしては最上級のものが求められます。言い換えると、他ではできないことをやるしか「お得感」がでないのです。