荒野のエッセイスト(映画編)

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第14回
ミツコ感覚

ファーストシーンからラストシーンまで、何が本当で何が嘘かが分からないが、その時々にあふれ出す感情に、きっちりとリアリティーが宿っている。
セリフともアドリブともとれない妙な間の会話に目も耳も釘付けになる。
映画を見ている間ずっと心はゾワゾワしている。
思わぬ悲劇が起こり、不意に間抜けなエンディングが訪れる。
何かとてつもないドラマを見たような、どうでもいい話に付き合ったような……何とも不思議な気分。
僕の感性はこのヘンテコな映画に引きずり込まれた。
脚本・監督の山内ケンジはソフトバンクのCMを撮っている人で、今回が監督第一作。
とりとめのない現代のとりとめのない姿を一本の映画に昇華させた。
できそうでできないことをサラリとやってみせる。
この手腕は見事だ。

僕の今年見た日本映画のベスト④は今のところ
① 少女たちの羅針盤
② ミツコ感覚
③ 八日目の蝉
④ 薔薇とサムライ
となっている。
あくまで個人の趣味で選んでいますが、参考にしていただければ……。

ミツコ感覚
12月、テアトル新宿ほか全国順次公開

詳しくはアルシネテラン 03-5467-3730へ

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