オバサンは『冬のソナタの撮影場所』と書かれた
チラシのようなものを差しだし、その中の一枚の写真を示し、
「ここに写っているのが私です」
と明るく言う。
「私はあそこで雑貨屋をやっているんですけどね」

ソウルで入手したアイドル・グッズ。仁川国際空港で購入したチェ・ジウのチョコレート(12$)と、明洞のコスメ・ストリートでプレゼントされたチャン・グンソクのマスク・シート(パック)。

確かにその家のななめ前に写真と同じ小さな店がある。
そこは雑貨屋というより「冬ソナ」グッズの店だ。
何となくそのまま帰るわけにもいかない。
オバサンの思うツボだ。
僕はCD(30000ウォン=約2100円)を一枚買い、
お店の売り上げに貢献することになる。

これは壮大なスケールの客引きだったのか?
クモの糸のように糸を張ってカモを待っていたのか……。
たとえそうだとしても
実に何とも思い出に残る楽しいひとときだった。