荒野のエッセイスト(音楽編)

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第16回
ホットな時代が甦る「ロカビリー・ワイルド」

ロカビリー・ワイルド
これぞロカビリー決定版!
ロックの元祖ナンバーを2枚組に完全収録!
50曲。750円。
発行:ノット・ナウ・ミュージック

イェーイ、ロカビリーだぜェ!
コアなオールディーズ・ファンには
絶対におすすめのCDを発見した。
タイトルは「ロカビリー・ワイルド」。
クレジットされた歌手は37人。
ところが、その名前を見ているうちに、冷や汗が出た。
僕の知っている歌手はわずかに3人だけ。

キング・オブ・ロックンロールのエルヴィス・プレスリー。
「ブルー・スエード・シューズ」で知られるカール・パーキンス。
日本でも「片目のジャック」がヒットしたジョニー・バーネット。
あとはすべて知らない人。
アメリカは広いんだなァ。
僕はまさに井の中の蛙だった。
ああ、半世紀にわたる僕のオールディーズ人生は何だったのか……。

それでも何とか気を取り直し、
レコードに針を落とす、じゃなくて、CDプレーヤーの▶を押す。
軽快なウッドベース、ペラペラとしたエレキギター、
バタバタとしたドラムの音……。
そこに人間くさいボーカルがかぶる。
これぞ原始的なロックンロール。
もう素晴らしいのなんの!
知らない人の歌う知らない曲だが、どの曲もなつかしい。
クールというよりホットである。
難点はどの曲も同じに聞こえてくること。
しかし、これを何回も聞き直すうちに、
その差異が明確になってくるだろう。

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