コミュニケーション達人への道

バックナンバー

第33回
部下とのコミュニケーション 後編

前回に続き、部下を不安にさせ心が離れてしまう管理職のNGコミュニケーションの実例を挙げ、ポイントを説明していきます。

□相手の目を凝視する癖がある。

実は目を合わせるという行為はリスクが高いのです。
目は想像以上に相手へ自分の真意を伝えてしまいます。本音を読み取られたくない政治家が焦点がぼやっとした半眼の目をしているのは、目の奥にある真意を読み取られる怖さを良く理解しているからでしょう。
人が相手の目を凝視する時は、相手に負けまいと思っている時です。凝視している方は、相手が目をそらすと勝ったような気持ちになるかもしれませんが大いなる間違いです。相手と長く目を合わせ、凝視する事によって「この人は自分に負けたくないって思っている」と逆に器を小さく見せてしまいます。相手の目を凝視するのではなく、包み込むような優しく見守る様な目線を意識してください。見守る様な目線は相手の上半身を包むような大きな視線で見るイメージです。相手の上半身全体を視野に収めようとすると周辺視野を使うことになり、自分自身の視線を柔らかくリラックスした目線にします。例えば空を仰ぎみる、海原を見つめる時は視野がふわっと大きくなると思いますが、この状態で相手を見ると、視線が柔らかくなり相手をリラックスさせ、安心させる効果があります。

□動きが早い

歩く速度が早かったり、動作が素早かったりしませんか? 実はせっかちで早い動きはカリスマ性や包容する雰囲気を損ないます。
例えばある集団が居て、その中に会長や社長がいたとしたら何となく周りの扱いだけでなく、この人は立場が上だろうということが解ります。その際に目安にしていることは、動きの速度です。その集団の中でちょこちょこと動いている人が一番上の人だったという事は一度もありませんでした。大抵ゆっくりと鷹揚とした動きの方がそれなりのお立場の方でした。

人は速い動きに不安を感じます。変な例えで恐縮ですが、一般的な日本人でゴキブリが好きという方は一部の昆虫マニアを除きほとんどいないのでは?突然すごい速度で動き出すという理由でゴキブリが怖いという人が多く、人が速い速度の対象物に不安を感じる一つの例だと納得してしまいます(笑)。私もゴキブリだけは苦手です。ゴキブリと同じということではありませんが、せっかちな人は、早い動きは人を不安にさせ、驚かせてしまうということを理解して下さい。
せっかちな人は歩く時に、歩幅を大きく取る。動く時は心の中で「1,2,3」などのカウントをしながらゆっくり動くことを意識する等の改善をするだけで、大物オーラを感じさせることが出来るかもしれません。



コメント