第33回
部下とのコミュニケーション 後編
2015.05.31 [西澤 史子]
□否定的で批判的なコメントが多い。
人は自分を受け容れ、認めてくれる人の指導やアドバイスしか聞きません。
他人を受け容れ、肯定する為には相手より大きな器をもつ必要があります。
だから人は自分を受け容れ、認めてくれる存在を、自分より大きな存在として認め、その人の発する言葉に耳を傾けるのでしょう。
否定的で批判的なコメントは相手を受け容れない、認めないというメッセージと受け止められます。「でも」「しかし」「けれど」等の前文を否定する接続詞を多用する口癖の方も要注意です。
否定や批判は、部下からの尊敬や信頼を得ていないと、上っ面だけの反省や謝罪でごまかされてしまい指導になりません。怒鳴ったり、物を投げたり等の怒りのパフォーマンスは、パワハラに相当する行為になるので絶対にNGですが、このパフォーマンスも慣れるのにさほど時間はかからないのです。
上司の叱責に対し、しゅんとした様な態度で頭を何度も下げ、反省を表していた人が、その上司が居なくなった途端、「今日は長かったわー」と笑顔でころりと態度を変えたシーンに何度も遭遇しました。部下との信頼関係を作る為に、否定、批判的なコメントは日常から多用しない事です。特に今は認め、誉めると伸びる人が多くなりましたので教育や指導方法は時代に合わせ変えていくことも管理職の努めです。
いかがでしたでしょうか。
私自身、一般社員から、管理職を経て今は自分の会社を設立し、今は自由気ままに好きな仕事をしていますが、思い返すと管理職時代が一番しんどい時期でした。
しかしながら学んだ事は管理職時代が最も多く有りました。当時の私は、今の私から見ると指導ポイント満載の管理職の一人でしたので(笑)、当時の部下からは「怖かった」とよく言われます。けれど当時、揺るぎなく持っていたのは部下に対する幸せになって欲しいという「想い」です。いまでも何人かの元部下はわざわざ連絡をくれます。この想いが伝わったからこそ、連絡をくれているのだろうと理解しています。
なので、今管理職で苦労している皆さんも胃に穴が開いたり、孤独感にさいなまれたり、無力感に落ち込んでも、ひたすらあきらめずに部下との接点を多く持ち、コミュニケーションを重ねて下さい。想いが伝わり「自分の人生を変えてくれた上司です」と言ってくれる部下が一人でも現れたら、それまでの苦労をすべて忘れ「管理職は面白い」と実感できるでしょう。
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