第36回
コミュニケーション力が付く“ものがたり” ~前篇~
2015.07.13 [西澤 史子]
小説だけでなく、侮れないのは世界に誇る日本のコンテンツ、漫画です。
特に「女心が解らない」と女性との関係に悩む男性にお奨めなのは少女漫画です。
少女漫画には細やかな心理描写で恋愛をテーマに描かれている作品が多く存在します。ここに出てくるヒロインが恋する男性像は多くの女性の理想を具現化しているキャラクターであり、そのキャラクターのヒロインに対する振る舞い、言葉、コミュニケーションは女性が描く理想の恋愛像、つまり言ってほしい言葉ややって欲しい振る舞いが描かれています。
例えば「アオハライド」では女友達の間で孤立したくないモテる可愛いルックスのヒロインが男子にモテない様にわざと雑に振舞う複雑な心理を描き、気になる男の子のどの様なしぐさ、言葉にドキっとするのか、絶妙なセリフと心理描写で描かれています。
この作品は “少女”をとうの昔に卒業した私でも十分楽しめる作品であり、若い世代の仲間から外れることに対する強い不安への理解も深められました。
また、昭和、2000年前後、現在と時代を変えて漫画を読み比べてみるとコミュニケーションの違いを学べます。
雨の夜、公衆電話から好きな相手に電話をするというシーンは昭和の恋愛漫画にはお馴染みのシーンですが、今の恋愛漫画ではLINEの様なメッセージのやり取りがコミュニケーションの小道具としては王道です。
また、漫画は会話を中心としたコンテンツである為、世代毎の言葉遣いの参考になります。
昭和時代の漫画では、「僕、~だよ。」という男言葉で話す女性のキャラが、一風変わったキャラとして登場することはありましたが、現在は「ワタクシ、~かしら?」という女言葉で話す女性キャラを一風変わった登場人物として出してくる事が多くなりました。
この様に若い世代と上手くコミュニケーションが取れず悩んでいるエイジレス世代は、勉強の為に漫画を読んでみるといいかもしれません。
次回は映画、テレビドラマについて。
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