第37回
コミュニケーション力が付く“ものがたり” ~後篇~
2015.07.29 [西澤 史子]
映画も同じようにノンバーバル・コミュニケーションを学べるコンテンツですが、特に外国のコミュニケーションを学べるという点では俊逸な教材です。
海外テレビドラマでも外国のコミュニケーションは学べますが、まだ限られた国のコンテンツが多く選択肢が限られます。その点、映画はドラマより多く国々の作品を視聴することが出来ます。
日本は多くの外国人が訪れる観光大国になりつつあります。
迎える私たち日本人一人一人が訪れてくれる外国人に対し、おもてなしの心を以てお迎えし、接する為には言語というツールだけでは足りません。その国に対する知識と理解、コミュニケーションへの理解が必要です。映画はそれら外国に関する知識とコミュニケーションが学べ、同時に外国の方との会話のネタにもなります。
私がカナダに留学していた当時、伊丹十三監督と北野武監督の映画が人気でした。
伊丹十三の「たんぽぽ」を観たカナダの友人に「日本ではあんなにこだわってラーメンを作るのか?」と聞かれ、私は日本のラーメンの美味しさやこだわりを拙い英語で一生懸命伝え、とても会話が弾んだことを憶えています。
北野武は、監督としての評価が高かったので、日本ではむしろコメディアンとしての方が人気だという事を説明してもカナダ人たちは中々信じてくれませんでした。しかし、それからご存じの通り、数々の北野作品が評価され、今ではカナダ人の評価が正しかったと納得しています。
この様に、外国のコミュニケーション教材としてだけでなく、外国の方との話のネタとしても映画はとてもおすすめです。
訪れたことがない国の映画を観てみると、そこに描かれる会話や人間関係、ファッションや習慣等、ストーリー以外でも楽しめる要素が多くあります。
コミュニケーション力をつけるという視点で観る映画を選ぶと、また違う視点で楽しめるのでは?
コミュニケーション力をつけるには、もちろん実際に多くの人と触れ合い、会話をする事が一番ですが、それを補うコンテンツとしてこれら”ものがたり”コンテンツはとても楽しく学べる教材です。
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