コミュニケーション達人への道

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第65回
リーダーとしてのインプレッション・マネジメント 後編

前回に続きリーダーとしてのインプレッション・マネジメントのVoice(声と話し方)、Verbal(話の内容)について。

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リーダーとしてのVoiceマネジメント

与えたい印象要素は信頼、エネルギッシュ、冷静です。

信頼を与える話し方のポイントは低い声とゆっくりとした話し方です。
しかしながら低い声は通りにくいという難点があります。なので、リーダーは通る声を出せるようになりましょう。 喉の力だけで話すのではなくお腹の中から声を出し、声帯を緩めて話します。腹式呼吸が出来ていると通る声が出しやすくなります。歌がうまい人やスポーツをやっている人は腹式呼吸が出来ている人が多いので声もよく通りますね。腹筋を鍛え、腹式呼吸が出来る様になると声の通り方が変わります。

エネルギッシュな印象は、「えー」や「あのー」というつなぎ言葉を入れない事と、一つのセンテンスを短く言い切る話し方を心がけて下さい。
接続詞を使いながらセンテンスを長くしたり、「えー」や「あのー」というつなぎ言葉を入れ、話しながら考えをまとめる話し方をしてしまうと、曖昧だったり、自信がない、悩んでいる様な印象を与えます。つなぎ言葉を入れない話し方をするだけで言葉の力が変わります。
そして言い切る事です。
「リンゴは青森だと思います。」と「リンゴは青森です。」の二つを声に出して読んで下さい。主張の伝わり方に雲泥の差がありますね。「~と思います。」や「~と考えます。」などセンテンスの終わりをふわっとさせてしまう言い方はスピーチやプレゼンテーションで使ってしまうと、メッセージの力を弱めてしまいます。なので最も大切なキーセンテンスでは使わない様にしましょう。

冷静の印象は間を使った話し方が大切です。
話し手にとってスピーチやプレゼンテーション、講演での沈黙はとても長く感じられます。
しかし、聞き手にとっては内容を解釈し、理解する時間としてなくてはならない時間です。この間を話の内容や流れによって適度に取り入れていくことにより、話し手がスピーチやプレゼンテーション、会話をコントロール出来ているという印象を与えます。
余談ですが間の使い手として上手いのは、やはりスティーブ・ジョブズでしょう。
彼は言わずと知れたプレゼンテーションの名手ですが、無駄なものを省いた洗練されたデザインにこだわった様にプレゼンテーションも無駄な装飾言葉を入れないシンプルな構成を心掛けて、演出も含めて何度もリハーサルをしたそうです。本番ではプレゼンテーションのインパクトや話の内容がしっかりと聴衆に浸み込む迄、絶妙な間を取りながら進行しプレゼンテーションをコントロールしました。
間を取った話し方をすることで、聞き手の感情をコントロールできる冷静な判断力をもっている印象を与えます。

いかがでしたでしょうか。

戦略的に自分の印象をマネジメントするインプレッション・マネジメントはリーダーに必要なビジネススキルです。
トップマネジメントの立場に立つとオフィシャルな場での発信やメディアとのコミュニケーションの機会が増えていきます。
どこかの政治家や企業のトップの様に「きっと実務は出来るのに残念だ。」「言ってることは解るけど何となく信頼できない。」等と印象で損をしない様に、リーダーになる前からインプレッションをマネジメントしていきましょう。



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