コミュニケーション達人への道

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第9回
旅立ちと別れのコミュニケーション・マナー

【出向く】

オンラインコミュニケーションツールが発展した今だからこそ、相手の元に出向き、対面で言葉を伝えましょう。餞別を用意する事も大切ですが、それよりわざわざ会いに来てくれた、その事実は何よりうれしいものです。例えば、少し切り出しにくい後任の担当者への紹介も、相手の元に出向き、餞別の言葉や感謝を伝えつつアイスブレイクな話題で雰囲気を作ってから「ちなみに後任の方は、どなたにご連絡させていただければよいのでしょうか?」と切り出すと自然な流れで紹介いただけますが、メール等で済ませようとすると「辞める(異動する)人間には用はないのか。」と軽い不快感を与えてしまう可能性があります。
特に、意外と狭く、めぐりめぐってご縁をいただく事が多いビジネスの世界。去り際に与えた不快感は非常に強く相手へ残りますので気をつけましょう。


【餞別を贈る】

「今までありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。」という気持ちを込めて贈る餞別をいただくと、やはり嬉しいものです。その際、あまりにも高価だったり、嵩張るものはやめましょう。女性であればお花やお菓子、男性であれば相手の趣味に関連したものや食べ物等が無難です。その際に必ずカードか手紙をつけて下さい。手書きの文字はメールや対面の言葉より、この様なお別れのシーンで絶大な印象を与えます。結婚式でも、両親への手紙の読み上げがありますが関係のない一般参列者でさえ心打たれ泣いてしまう程の感動を感じます。ましてや自分宛の手紙やカードをくれた人は一生忘れないと言っても過言でないでしょう。私自身、職場を去る際に何人かが餞別と共に手紙をくれましたが、今でもはっきり憶えており、現在一緒に働いてはいませんが、何かあったら力になりたいと感じています。それくらい相手の心を揺り動かしますので、せっかく餞別を贈るのであれば一緒にカードや手紙をつけてみて下さい。

別れは誰しも辛いものです。だからこそ、温かい言葉と対応で“気持ち”をプレゼントしましょう。

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