第15回
基本の基「正しい箸の持ち方・使い方」
2011.11.01 [藤井 寛子]
「高級なスーツにブランド物の腕時計、社会的にも地位があって、一見すきのない紳士のようだけど、一緒に食事をすると幻滅するのよね…。」と、ある女性が取引先のエリートの話を切り出すと、「いるいる!」と、女性たちの声の多いことに驚きました。
特に、30代後半から40代の女性たちの話題の中で気になったのは、日本人なのに「箸使いが下手」=「食事が美しくない」紳士の話でした。
彼女たちもまた、会社や社会の中では、役職や地位を持ったキャリア組です。20代の若いころのように、「質より量」とガッツリと食べることはなくなり、「量より質」と、雰囲気のあるオシャレなレストランや格式ある場所での食事が多くなってきます。
そういった条件の中でいただく食事の「箸使いの美しさ」は、その人の器量をも決めてしまうほどの重要なシーンなのです。
そもそもマナーとは、人に不快感を持たせないためのルールです。そして、「箸の扱い」は、和における食事作法の基本です。
昔から、箸の上げ下ろしを見れば、その人の品格と育った環境、いわゆる「育ちが分かる」といわれてきました。
箸の文化に生まれ育った日本人として、今一度、自分の箸の使い方を確認してみましょう。MY箸であれば、長さは手の平より3㎝ほど長めの箸が理想です。
■基本の持ち方・動かし方
- まず1本の箸を、鉛筆を持つように人差し指と親指で挟んで、中指で支えるように持ちます。
- 1.で持った箸の下に、もう1本の箸を入れて、薬指の先の上に置き、薬指と中指で挟むように持ち、親指の付け根で支えます。
- 2本の箸の上先・下先の両方の箸先同士がつかないように、少し間を開けたまま先を揃えます。
- 1.2.3.で正しく持てたら、箸の上部は動かさずに、箸の下先を動かしてみましょう。この動きが全ての基本となります。
この箸先の開閉は、下の1本を支えにして、上の1本の箸だけで行います。開くときは中指を上げて、閉じるときは人差し指を下げます。
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