How to be a Gentleman

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第22回
日本茶の頂き方

落ち着いた雰囲気の和食のお店に行った時のこと。
大きな窓ガラスからは日本庭園が見え、桜のつぼみが夜のライトにぼんやりと照らされている中、まだ来ぬ春の訪れを待ち遠しく思いながら、春の季節料理をおいしく頂いていました。
近くの席でも、カップルや食事会を開いているらしき人たちが楽しそうに料理を堪能していました。

その時、私のテーブルの先に座っていた男性が、ちょうど「ふたつき」のお茶に手を伸ばして、こう言ったのです。
「これってさー、こまるんだよねぇー。ふたっていらなくない?」

思い当たる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ふたつきのお茶の頂き方にはあまり関心が無い男性は多いかもしれません。
でも実際に、ふたつきで出されて困った…という経験があるかと思います。

そこで今回は、取引先や上司のお宅など、訪問先で出されるお茶の頂き方をご紹介しましょう。

もてなす側は手間暇かけて、一番おいしく頂ける状態のお茶をあなたにいれてくれます。よって、出したお茶の味を褒められることは、もてなす側にとっては本当にうれしいことです。
よって、熱いものは熱いうちに。冷たいものは冷たいうちに頂くようにしましょう。今回の場合は「ふたつきの日本茶」を頂くのですから、熱いうちに頂くようにしましょう。

それでは、どうやって頂くのがよいのでしょうか?
まずは、「頂きます」と言って軽くお辞儀をします。左手をお茶碗に添えて、右手で蓋を取ります。お茶わんの上で、ふたについたお茶のしずくを落とします。そのとき、テーブルにしずくを落とさないように気をつけましょう。しずくを落としたら、ふたの裏を上に向けて右側に置きます。

次に、お茶わんを右手で持ちます。左手でお茶わんの底を支えます。そしてお茶を頂きます。このとき、「ズズッ」と音を立てて飲まないようにしましょう。
「熱いから…」といって「フーフー」と音を立てて冷ますこともなるべく避けましょう。(スープの頂き方と同じですね)

お茶を飲み終わったら、ゆっくりとお茶わんを茶托(ちゃたく)に戻します。そして裏に返しておいたふたを、しずくがテーブルに落ちないようにお茶わんの上で返し、お茶わんの上に置きます。

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