第31回
重陽の節句
2012.10.09 [藤井 寛子]
今でも日本各地で開かれている「菊人形展」。
これは、江戸時代に植木職人が菊で細工して人形の衣装を作り、お寺で参拝客に見せたのが始まりだったそうです。私も幼少時代、この時期になると、祖父母のいた福井県まで行き、よく「菊人形展」を見に行きました。「菊の花の着物」を身にまとった人形達を見ながら、菊の香りいっぱいに包まれて、高貴な気持ちを子供ながらに感じ取ったのを今でも鮮明に覚えています。
そしてそのあと、祖父母の自宅で「菊の天ぷら」や「菊の酢の物」などを食べたことも、「菊の香り」と共にこの時期になると思い出します。
ここで、「重陽の節句」にちなんだ物をいくつかご紹介しましょう。
◎菊花茶
お湯を注ぐと菊の花が開く、美しい中国茶。風邪の予防にもなります。夏バテ解消にも効果があるようです。
◎菊枕
節句の日につんだ菊の花びらを影干ししてつめた枕で休むと、邪気を払う力があるといわれています。
◎菊酒
菊の花びらを浮かべたお酒。邪気を払い、長寿を願う意味があります。
年末までもう一息。
今年は、残暑も長々と続いたため、体調を崩された方も多いようですが、「重陽の節句」ではぜひ、菊の力を借りて邪気を払ってみてはいかがですか?
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