以前から、僕が卒業した調理師専門学校の生徒たちに、僕のスキルを現場すなわちレストランで直に伝えたいと思っていました。
そして、二つの自治体や複数の企業から賛同・協賛を、そしてレストランも提供していただけることになり、今年5月にオープンする予定でしたが、東日本大震災の影響によって、見合わせに…。
一度は諦めたのですが、生徒たちや協賛してくださる自治体・企業から強い希望と後押しがあり、この8月、やっと念願の「Schoolレストラン」を開けることになりました。

初回は、生徒たちにお店で調理することに慣れてもらうため、僕オリジナルのコース料理を一緒に作り、僕の昔からのお客様からご予約をいただき、実際のレストランの空気を感じてもらいました。
二回目は、調理師専門学校の先生や保護者の方々などをお招きし、着席ビュッフェスタイルで、調理はすべて生徒たちに任せることに。とはいえ、協賛してくださった竹本油脂様からは太白胡麻(ごま)油を、ハインツ様からはデミグラスソースを、そして日本製粉様からはバリラのパスタを提供していただいたので、これらの食材を生かした料理を作るべく、メニューの作成や仕入れなどは僕が行ないました。もちろん調理法も僕が指導しましたが、あとは味見と盛り付けチェックだけ。生徒たちは、10時からの仕込みを始め、調理・盛り付け・皿洗いなどをすべてこなし、21時の閉店まで、本当によく働き、多くを吸収してくれました。
写真の料理はアンティパストとメインディッシュだけですが、その他パスタ3種類にドルチェ(デザート)の「紅茶のパンナコッタ」まで生徒たちが作ったんですよ。

閉店後、残った料理を生徒たちと食べ、ゆっくり感想でも聞こうかと思っていたのですが、片付けと掃除を済ませたら終電の時間が迫っていたので、あまり話ができず、ちょっぴり残念。
でも生徒たちも、開店から閉店まで高揚感と緊張感の中で精一杯がんばったのですから、さぞ疲労困憊(こんぱい)だったことでしょう。感想は、次の機会に聞くことにしました。
そして、お客様としてご来店くださった調理師専門学校の先生や生徒のご両親、そして僕の店のお客様、お付き合いくださり本当にありがとうございました。皆様の温かさを、改めて感じることができた一日でした。
この「Schoolレストラン」は、毎週土・日に開店しています。生徒たちのイキイキとした姿を見に、皆さんもぜひご来店ください。

さて今回のレシピは、「Schoolレストラン」で実際に生徒たちが作った料理です。
イタリアンと胡麻油を栗本流にコラボレートさせてみたのですが、我ながらとっても美味!
ワインのお供に、また大皿に盛り付ければパーティーの一品にもなります。簡単なので、ぜひ皆さんもお試しください。

(レシピは次のページ)