第11回
伝統料理Caponata
2011.11.22 [栗本 清]
今回は、前回のコラムで紹介したニョッキを使ってのパスタソースのコラムです。
皆さんは、「ラタトゥイユ」という料理はご存知ですよね。「カポナータ」とは、「ラタトゥイユ」と一緒なんです。ラタトゥイユは南フランスのプロヴァンス料理、カポナータは南イタリアのシチリア料理。一番の違いは、カポナータにはビネガーを使って甘酸っぱくすることかな。
そこで、まずはシチリア島についての話を少しだけ。
シチリア島は、地中海最大の島。地中海の真ん中に浮かんでいるため、昔からギリシャ人、ローマ人、アラブ人、スペイン人、フランス人など、さまざまな民族に支配されてきた歴史があります。これらの国々が残した足跡がミックスされ、個性的な食文化が作られました。
比較的一年中暖かく、夏は太陽がサンサンと降り注ぎ、空気は乾燥しています。このサンサンと降り注がれた太陽の力によって作り出されたのが「乾燥パスタ」の始まりと、イタリアでの修行中に教えていただきました。
また、地中海に浮かんでいる島なので、新鮮な魚介類と色とりどりの野菜も豊富。
「海の宝物 イワシ」のコラムでご紹介した「イワシとナッツのパスタ」も、シチリア地方の料理です。
ちなみに、カポナータ(=ラタトゥイユ)と聞くと、「料理として食べるならアンティパスト、パスタとして食べるなら冷製パスタ」と思われる方が多いかと。確かに日本では、冷製アンティパストのイメージが強いかもしれません。でも、カポナータは野菜の煮込み料理なので、シチリアではパスタに絡めて食べることもあるんです。
さてさて、ニョッキに何を絡めようかと考えていたら、vegetalia代官山(※)に、すごく便利な野菜セットを販売しているのを発見。そこで、「そうだ、カポナータにしよう!」と思ったんです。
その野菜セットの名も「イタリアセット」!まぁ~そのままなんですが、奥様方には便利なようで、リピートで購入されている方や、セットを見て「これだったら便利!」と言って初めて購入される方もいて評判が良く、アッと言う間に売れてしまい、セットの個数を増やしたようですが、それでも完売になっています。
中身は、赤パプリカ、黄パプリカ、ローザビアンカ。ご家庭ではなかなか使い切りにくい食材ですよね。
でも、カポナータであれば、野菜の煮込みなので、作りおきができます。
作った日は、温かいままで赤ワインと一緒に。残ったら冷蔵庫で保存して、次の日は冷製アンティパストで白ワインと一緒に。同じ料理でも、口の中に広がる味わいが全く異なり、楽しめること間違いなしです。
色鮮やかな野菜たちばかりなので、おもてなし料理として大皿に少し工夫して盛りつければ、すごくお洒落な一品になります。
では、次のページで「ジャガイモのニョッキ カポナータソース」を紹介します。
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