第16回
疲労回復にアスパラガス
2012.04.17 [栗本 清]
アスパラガスは、古代エジプト時代から食用に栽培されてきた野菜で、ヨーロッパでは春を告げる野菜として人気があります。日本では明治期に北海道で栽培され始めました。
アスパラガスにはグリーンとホワイトがありますが、これらは栽培方法が異なるだけで品種は同じ。日光を当てて育てるグリーンアスパラガスに対して、ホワイトアスパラガスは日光に当てずに育てます。値段の方もホワイトの方が少し高いですよね。
栄養価としては、日光にたくさん当たって育ったグリーンアスパラガスの方が、カロテンやビタミンB群が多く含まれています。ただし、アスパラガス特有の栄養成分、アスパラギンはどちらにも含まれています。
アスパラガスには、このアミノ酸の一種であるアスパラギン酸を多く含むのが特徴で、疲労回復や美肌に効果を発揮します。アスパラギン酸はアスパラガスの穂先に含まれている栄養成分です。
水溶性のビタミン物質であるルティンは、ビタミンPと同様の効果をもち、動脈硬化を防いで、高血圧や脳血管障害をも予防する栄養成分です。アスパラガスの色素成分で、コレステロール値を下げるクロロフィルは抗酸化作用があります。
また、発がん性物質の解毒に効果があるセレンやグルタチオンという成分も含まれ、細胞の老化や肝臓の強化にも役立ちます。
アスパラガスにはビタミンB1、B2、葉酸なども多く含まれるほか、β-カロテンやビタミンC、E、カルシウムや鉄、亜鉛なども含まれているんです。
柔らかい穂先の部分は、毛細血管を丈夫にする働きのあるルティンが多く含まれています。
春はたっぷり貯蔵養分がありゆっくり育つため、夏より春に収穫したもののほうが、栄養価が高いのです。
アスパラガスに含まれるルティンは水溶性のため、下ゆですると溶け出してしまいます。なので、素材をそのまま焼く、炒める、揚げるなどの調理が適しています。下ゆでする場合は、塩を加えた熱湯でかためにゆでて、急速に冷ますのがコツです。これによって、色や歯ざわりが良いだけでなく、有効成分の損失を最小限に抑えることが可能なんです。
また、グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスでは歯ざわりや風味が異なるので、料理によって使い分けるといいですね。
選ぶときは、太さが均一で穂先が締まったものがいいですね。グリーンアスパラガスの場合は、緑色が濃いものがいいです。また保存するときは、水分が蒸発しないようにラップなどに包んで冷蔵庫で立てて保存してください。
では次のページで、アスパラガスを使ったお料理を紹介します。
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