第20回
イタリア料理に欠かせないペペロンチーノ(赤唐辛子)
2012.08.21 [栗本 清]
中南米が原産の唐辛子は、コロンブスがヨーロッパに持ち帰り広め、日本へは16世紀にポルトガル人が持ってきたそうです。
赤唐辛子は一般に乾燥させてから利用されるため、旬とは関係がないように思えますが、実はおいしい時期があり、それは国内で生の果実が多く収穫される8月~10月です。
唐辛子には、通常の野菜にくらべ、ビタミンAとビタミンCが多く含まれています。
また、大きな特徴として、カプサイシンとプシエイトを含みます。
唐辛子成分の特徴であるカプサイシンは、多くの効能があります。
カプサイシンは、胃の粘膜を保護し、胃痛や胃もたれ、胃炎などを防ぎます。辛いので、胃に悪いようなイメージがありますが、実際は胃の粘膜が刺激され、粘液で保護されることから、逆に胃に良いそうです。
そのため、食欲増進につながる上、消化の促進も期待できるんです。
また、カプサイシンは脂肪分解酵素を活性化し、体内の脂肪の分解を促す上、血行を良くし、新陳代謝を活発にします。
これが、ダイエットに効くといわれているゆえんですね。
カプサイシンは副腎のアドレナリンの分泌を活発するので、スポーツなどの試合前にも良さそうです。
もう一方のプシエイトも、いま注目されています。
近年、現代日本人の食生活や生活習慣が原因で、女性だけでなく男性や子どもにも「低体温化」が進んでいるといわれています。食事内容や運動、ストレスなどで体のバランスが崩れてしまうのです。
プシエイトは、エネルギーの消費量を増やし、代謝機能をアップさせるので、体温を上昇させます。そのせいで汗が大量に出る人もいます。
辛い物が苦手の方も、調理法を工夫して食べるようにし、低体温防止に役立てると良いのではないでしょうか。
唐辛子は、ビタミンA、ビタミンCが豊富なことから、夏バテ防止に効果が高く、殺菌作用があるため、食中毒を防ぐともいわれています。よって、特に暑い地域で多く使われています。
殺菌のほかに虫よけの効果もあり、ほかの作物と一緒に植えて、害虫を減らす目的で栽培している方もいます。また、食物の保存に利用することもあります。
米びつに唐辛子を1本入れて、米を保存する方法もそうですね。
最近では、カプサイシンが発がん性物質に対して科学的な予防効果があることが分かってきているため、ますます注目されているそうですよ。
さて、そんな唐辛子を使って、今日は何を作りましょうか?
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