第3回
日本語教師デビューへの道 その1
2012.04.03 [村上 充]
次に、②「日本語教育能力検定試験に合格」ですが、これは、1年に1度、10月の第4日曜日(2012年度は10月28日)に実施される、日本語教師の登竜門と呼ばれる試験です。外国人が受験する「日本語能力試験」と混同されがちなので、ご注意くださいね。一般的に、「検定試験」と呼ばれています。
この試験の目的は、「日本語教員となるために学習している者、日本語教員として教育に携わっている者を対象として、日本語教育の実践につながる体系的な知識が基礎的な水準に達しているかどうか、状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているかどうかを検定すること」とされています。①の養成講座を修了したり、③の大学で専門的に日本語を学んだ人たちと同等の知識を持っていると見なされるので、学校に通う時間がなかったり、近くに通える学校がなかったり、自宅で自分のペースで学びたい人に向いています。学習方法としては、養成講座の検定対策コースに通う、検定試験対策の通信講座で学ぶ、テキストや問題集を購入して独習する方法があります。
2011年試験は、5,732人が受験し、1,527人が合格しているので、約27%の合格率です。実は、50歳以上の受験生が毎年増加しており、昨年は、1,400人がチャレンジしています。
なお、③「大学や大学院で日本語教育に関する規定単位を取得」するという条件は、日本語教育について学術的に研究したい人、大学などで教えたい人向けです。時間をかけて、日本語教育を専攻できる大学はいろいろとあるので、養成講座と同じように、ウェブサイトや専門情報誌などで探してみてください。
次回は、②の「日本語教育能力検定試験」について詳しく紹介します。お楽しみに!
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