外国人に日本語を教えてみませんか!

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第5回
海外で日本語を教えてみませんか? 〈入門編〉

さて、約365万人といった、海外での日本語学習者の数、思ったよりも多いなと思いませんでしたか。実は、この人数は、日本語を大学や日本語学校などの「学習機関」で学んでいる学習者のみで、テレビやラジオやインターネットなどで学んだり、独習で学んでいる学習者の数は含まれていません。つまり、日本語学習者の実数は、さらに大きなものとなるのです。

それでは、地域別に紹介してみましょう。

海外の日本語学習者は東アジアに5割以上が集中しています。この地域には、約96万人の韓国(全体1位)と約83万人の中国(全体2位)があり、日本語教育が特に盛んな地域となります。
韓国は、日本語学校などを中心に、日本人教師の職があります。ただし、日本語学校の授業は、会社や学校の前後、つまり、早朝と夕方に行われるのが一般的です。一度、韓国で日本語教師の一日を密着取材したことがありますが、朝5時に起き、6時過ぎに授業開始、帰宅して仮眠をとった後、再び夕方の6時過ぎから授業といった流れ、なかなかハードでした。どちらかと言えば、体力のある若者向けかもしれません。
中国は、大学などを中心に求人も多く、日本語教師としての職を探しやすいでしょう。昨年、北京を取材したときにお会いした日本人の先生方によると、純朴で、真面目な学生が多いとのことです。とはいえ、大きな国なので、地域によって気候や学習施設の整備状況など、大きくことなるようです。

インドネシア、タイ、ベトナムなどの東南アジアも学習者が多くいます。日本への進学を目指す学習者だけでなく、現地の日本企業や日本の工場で働きたいといった目的を持った学習者も増えています。こういった教育現場では、実際にこれまで日本で働いてきた経験を生かしながら、現地のスタッフに日本語や日本の商習慣などを指導することができます。

なお、欧米諸国やオセアニアなどでも、日本語は学ばれていますが、舞台は公的な教育機関(中学校、高校、大学など)が中心となります。例えば、アメリカの大学で教えるためには、アメリカの大学院に進学し、言語学、教育学などを修了することが必須条件となるケースが多く、アジアと比べると、遠く、狭き門となってしまいます。アフリカ、中近東、南米などにも求人の数は少なめですが、日本語を学ぶ人はいます。これらの地域では、JICAのシニア海外ボランティアなどへの参加が中心となるでしょう。派遣前の訓練などもあり、安心です。

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