第6回
海外で日本語を教えてみませんか?〈実践編〉
2012.07.03 [村上 充]
さて、海外求人のウェブサイトを通した採用は、機関によって異なりますが、履歴書を送り、審査を通過したら、電話インタビューで採用が決まることが多いようです。ここで注意すべき点は、「条件」について、遠慮なくしっかりと、確かめておくことです。日本的な「なあなあ」は海外では通用しません。理想を言えば、求人採用が決まった後に、一度、現地を訪問して、採用担当者に会って、職環境や住居などを確認した上で、正式に決めるとよいでしょう。
残念ながら、事前に、合意していたはずの条件が現地入りすると変わっているケースも、中にはあるそうです。例えば、先方で用意する宿泊施設の部屋が約束よりも小さかったり、赴任後、突然、日本文学の授業も担当してくれと頼まれたり、といった話を聞いたことがあります。こんなトラブルが発生したとき、私たち、日本人は、「契約違反だ!」と、怒ったり、やる気を失ったりすることが多いようです。気持ちは分かりますが、海外には、モノに値札が付いてなく、売り手と買い手で交渉して値段を決める国も多くあるように、自分の主張を通すためには、押したり引いたりしながら、粘り強く交渉する逞しさが求められます。「話が違う! 騙された!」といって、そのまま泣き寝入りしたり、怒ってすぐに帰国したりする前に、自分の言い分をきちんと伝えながら交渉していく姿勢が必要となります。このようなトラブルを避けるためにも、できるだけ、渡航前の事前確認は念入りに行いましょう。
次に、給与に関しては、基本的には、現地レベルでの支給となります。つまり、現地で生活する分には十分な給与でも、日本で受け取っていた額と比べると、かなり少なめとなってしまうことを理解しておいてください。
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