外国人に日本語を教えてみませんか!

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第12回
日本語教育の現場リポートⅡ ――ボランティア 千田茂さんに聞く(前編)

――なるほど、日本語学校で教えるための条件も十分にクリアしたわけですね。

そうですね。ただ、仕事があったので、休日に参加できる日本語ボランティアを探しました。そこで、97年から、前年に日本語教室を発足させたばかりだった大阪の天王寺区にある大阪国際交流センターに参加することにしました。当時、大阪では在住外国人の数が増えていた時期で、行政側からも何かしなければ、という動きが出てきたところでした。

――大阪国際交流センターでの活動について、教えていただけますか?

※ なお、「日本語ボランティア」には、ひと口では括れないさまざまなスタイルがあります。第1回第2回の記事をご参照いただければ、より理解しやすくなると思います。

私の参加している日本語教室は、「ふれあいサロン(以下、サロン)」と呼ばれています。毎週土曜日の午後、登録された約60人のボランティアによって運営されているんですよ。このサロンの目的は、外国人が日本語を学ぶだけでなく、文化、歴史、習慣など、いろいろな話題を通じて、日本についての知識や理解を深めてもらうことです。ですから、日本人が外国人に教えるという一方的な関係ではなく、お互いを「さん」付けで呼び合い、参加する日本人も外国人との交流を通じて、異文化について学ぶ場となるんです。

――日本語のレッスンは、どのように行われるのですか?

14時から15時半までの90分間、ボランティアと外国人が1対1でペアを組んで、レッスンを行います。ボランティアの数が足りないときは、一人で複数の外国人を担当することもあります。サロンでは、ペアは毎回変わるルールとなっているのですが、これは、できるだけ、多くの人と交流するためです。何を教えるかは、毎回、ペアとなった外国人と話をして、その場で決めています。日本語学校や大学の留学生、日本人と結婚した女性、英語学校の先生、日本で働いている人など、やってくる外国人もさまざまですし、日本語のレベル差も大きく、基本的な日常会話を身に付けたい人、漢字を覚えたい人、日本の文化やビジネス事情を知りたい人、学校以外の場での日本人との交流を求めている人、日本語能力試験の勉強をしたい人など、千差万別です。国籍も、中国、韓国、台湾に、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムといった東南アジア、アメリカ人やヨーロッパから来た人、中近東、ロシア、ルーマニアなど、さまざまですよ。

次回は、千田さんに、日本語ボランティアに参加して感じた、問題点と可能性について、お聞きします。

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