外国人に日本語を教えてみませんか!

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第14回
日本語教育能力検定試験にチャレンジしよう!

試験Ⅱは、昼休憩の後に行われる聴解(リスニング)問題で、配点は40点、30分で行われます。日本語を自然に取得してきた私たちにとって、学習者の中に、「びょういん/病院」と「びょういん/美容院」の違いに迷ったり、「発音」を「はちゅおん」と発音したりする人がいることは、理解し難いものです。しかし、これは、私たちが、英語で、RとLの音の違いを区別するのが苦手だったりするのと同じこと。母語にない音は、聞き取りにくく、発音しづらいものなのです。そこで、外国語としての日本語を教えるために「音声学」の知識が必要となるのです。見慣れない発音記号が出てきたり、慣れないうちは、「た・つ・て・と」は舌先を「歯茎」に当てて発声するけれど、「ち」は「歯茎硬口蓋(しけいこうこうがい)」が調音点になると言われても、チンプンカンプンかもしれません。しかし、慣れれば、得点源にできる分野ですし、教師として役に立つ知識が習得できます。

試験Ⅲは、配点は100点で、日本語教師に必要とされる基礎的な問題解決能力を問う問題に120分で解答します。実際に教えた経験がなくても、「日本語教授法」などについて学んでおけば、対応できます。外国人問題への国の取り組みなど、時事問題なども出題されるので、日頃から新聞やニュースなどをチェックしておく習慣をつけておきましょう。記述問題が1問あり、自分の考えを400文字程度でまとめる文章力が問われます。

合格率は約20%と、決して簡単に合格できる試験ではありません。付け焼刃ではなく、計画的に対策を立てることが合格への第一歩となります。それでも、「言語学」「教授法」「音声」「文法」「日本語史」「異文化心理」「第二言語習得論」など、さまざまな分野を学ぶ経験は、知的好奇心を刺激してくれます。そして、学べば学ぶほど、学問のおもしろさが目の前に広がってくるはずです。

「平成25年日本語教育能力検定試験実施要項」
http://www.jees.or.jp/jltct/pdf/2013_jltct_guide.pdf

「検定試験の試験問題例」
http://www.jees.or.jp/jltct/pdf/h19_example_test.pdf

『平成24年度 日本語教育能力検定試験 合格するための本』(CD付/アルク/2,625円)は、実は私が編集に携わったムック本ですが、検定試験を受ける際に知っておきたい情報から試験範囲の分野別の解説や問題まで、1冊の中に有益な情報がコンパクトに詰まっています。

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