知って損はない、働き続けるための心がけ

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第4回
仕事としてでも、謙虚な姿勢を身に付けましょう

④相手目線の会話ができていましたか? 態度に示せていましたか?

高齢になるほど、若い世代からの目線は鷹揚になってきても良さそうなものです。ところが最近はそうでもありません。メディアの影響もあり、「高齢になればなるほど、高度経済成長期や好景気などの過去の果実を享受してきたうえに、年金などの将来保証も傷つかない。逆に若年層になればなるほどその逆だ」と冷ややかに見る若年層が徐々に増えてきています。ぎすぎすした世の中、あるべきではない姿ですが、それが現実です……。

そうなってくるとベテラン社員は常に評価・チェックされるようになってきます。談笑している間でも、気の利いたことを言っているか、変なことを言ってないか、常に誰かに監視されていると言っても過言ではないかもしれません。もっとも、程度の差こそあれ、今に始まった話でもないですし、若手社員にとっても同様かもしれませんが。

ここで「変なことを言っていないか」と書きましたが、実際に「変なこと」とはどんなことでしょうか?

代表的な例は、「抽象的な過去の話をすること」です。さらに、「現在と過去を比較して、過去の方が良かったと、それが事実であったとしても口に出すこと」です。もっと悪いケースでは、「同じ内容を毎回のように話すこと」です。

何を話すことにおいても、誰もが自分と同じ前提や知識に立っていると思わないようにしましょう。話している相手が男女、年代、職種によって、知っていることや経験してきたことは異なります。一人ひとりを完ぺきに理解して話すのは不可能です。時間がかかるだけでなく、生まれ持ったセンスもあります。

ただ少なくとも、話している相手が「あれ?」みたいな顔をしていないか、適当な相槌で流していないかということを意識しながら話すようにしましょう。センスはあまり関係なく、心がけでできることです。話の内容に自信が持てない場合は、内容自体よりもむしろ、「あ、この人は気を使って話してくれているんだ」と思われることを心がけましょう。そう思われていなければ、極端に言えば、話していることが内容に関係なくすべて「変なこと」と捉えられてしまいます。

そんな観点からすると、声の大きさについても馬鹿にできません。ガヤガヤと賑やかな居酒屋にも関わらず小さな声で話す人や、静かなお店なのに大きい声で話す人は、「この人は空気が読めない人だ」「いいよなあ、それでも生きてこられて」と思われて、あとは何を話しても「変なことを言う人」扱いをされてしまいます。地声の大小は関係なく、その人なりに周りの状況に合わせて声を普段より調整しているかどうか(と受け止められるか)がポイントです。

具体的な失敗談をもとにして笑い話や参考になる話としてネタを披露し、周囲から一目置かれれば問題ありません。ただ、話の内容でリードできない場合でも、配慮をしている、頑張っていると受け止められているのかでも、何もしていないよりは遥かに良いでしょう。

若年層は、ベテラン社員がわからない昔話をしている、自分を置き去りにして話している、その対応が許されてきていると捉えると、その瞬間に興ざめし、何も言わずに「さーっ」と引いて行くものです。それが良いかどうかの問題ではなく、そういうものだと現実を理解してください。

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