第4回
仕事としてでも、謙虚な姿勢を身に付けましょう
2012.01.17 [出口 知史]
⑤赤の他人に対しても、気配りや配慮をしていましたか?
若年層は面倒くさい人種だなあと思われたでしょうか? 恐らく社会情勢や経済情勢の変化が少なからず影響しているのでしょう。もちろん個人差はありますが、年齢が若くなればなるほど、一瞬でも「この人みっともない」と思ったら、以後なかなか心を許さない傾向があります。
みっともないかどうかは、ビジネスの場以外でも見られています。代表的な例では、ホテルの受付や飲食店のウエートレスやタクシーの運転手など、サービス業の人に対して傲慢な態度をすることです。また、新幹線で寝ている人の横でも構わずビールやおつまみの臭いを撒き散らして長時間“一人居酒屋”をやっていたり、飛行機内で荷物棚を広く占領して、周りの人が荷物を置くスペースがなくて困っていても知らん顔したりする例などです。いずれにも共通するのは「金を払っている客だから、なんでも主張して良い」という、品格のない言動です。こうした人はビジネスの場においても、自分の会社が優位にある取引先に対しては、過剰に傲慢な態度をしている可能性が高いです。そんな姿を見て心地よいと思う社員はいません。
仮に店員さんなどサービススタッフに非があったシーンでも、そこでぐっと我慢して大人の対応をするのと、ここぞとばかりに普段の鬱憤晴らしも兼ねて怒鳴り散らしたりするのとでは大違いです。品格のない行動を取っていたとしても、誰にも見られてなければいいと思うことはNGです。自分より立場の弱い人に対しては必ず優しくするようにし、むしろ「大変ですね」の一言をかけるくらいの余裕を見せたほうが、巡り巡って自分の評価になって返ってくると思うようにしましょう。
一連の項目に共通することは、謙虚に自分自身を客観視する姿勢であるともいえましょう。今まで意識していなかった方にとっては、少し窮屈で面倒で受け入れがたいこともあるかもしれません。でも忘れてはならないのは、それも仕事の一部であるということです。
前回、今回と2回にわたって、日々の言動で改めるべき点がないか、これから過ごす時間での言動をどうしていくべきかについてのチェック項目について述べてきました。次回からは、定年後のステージをどのように描けば、長く働くことができるかということについて考えてみたいと思います。
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