知って損はない、働き続けるための心がけ

バックナンバー

第2回
あなたの“鉄板ネタ”を掘り出しましょう

前回は、高齢者を取り巻く労働市場の現実とその厳しさを示し、改めて自分の価値観に照らし合わせて、何を優先すべきなのか、何を我慢できるのかを明確にしておくことの重要性について書かせていただきました。
嘆いたところで環境は変わりません。今回からはそうした環境のなかでも、なるべく自分の希望を叶える形で働き続けるために考えるべきポイントを示していきたいと思います。
まず、会社はどういった基準で、定年退職者に対して雇用期間の延長や再雇用をしたり、他の会社を退職した高齢者を採用しているのでしょうか。もちろん会社の数だけ判断基準はあるといえるでしょう。ただ、「成し遂げてきた実績」だけで判断するものでもないということはいえるはずです。

“完璧な”評価はない

破綻した会社を再建するときには、抜本的なリストラクチャリングは避けて通れない道です。そして必ずといっていいほど、その過程においては、退職をともなう組織編制の変更が発生します。その究極的な場面において、残っていただくようお願いする人と、環境を変えてもらうことを説得する人とに別れるポイントは、決して記録に残っている業績だけではありません。
わかりやすい例では、成績が同程度の営業マンが2人いてどちらかに残っていただく場合には、判断は数字以外の要因で決まります。私自身、そうした場面では上司のみならず同僚・後輩社員が、普段の生活態度や言動(自分よりも年下の社員への話し方や、こちらのほうが立場が強い取引先との電話口での話し方などまでも含めて)についてどんな印象を抱いているのかといった話にも耳を傾けていました。
他の例では、同じ部門内で社歴が長いだけ正社員の方が若干生産性が高くとも、総合的に議論・協議した結果、正社員が早期退職に応募し、派遣社員が契約社員に雇用契約を変更した(結果的に、1年後に正社員になりました)ことがありました。当時、その結論が本当に正しいことか、そして一歩間違えれば労働争議にもなりかねないことに向かっていいものか、毎日悩んでいた記憶があります。ただ、終始「協力姿勢」や「前向き」といった至極単純なキーワードが頭の片隅に残っていました。

コメント