第3回
因果応報のタネから、宝を創りあげましょう
2011.12.13 [出口 知史]
①その場かぎりの返事ではなく、相手にヒントや刺激を与えていましたか?
管理職やリーダーであった場合に特に当てはまりますが、部下や後輩から報告・情報が上がってきたときに、内容についてきちんと、相手にとってタメになるコメントをしていましたでしょうか。それは必ずしもポジティブな内容でなければならないわけではなく、ネガティブな内容でも構いません。もちろん、純粋な疑問でも構いません。部分的・具体的に良い点を挙げて「~な理由で、良いね」と理由付きの感想でも十分です。
言いかえれば、大事なポイントとして、相手にとって何かしら考えるきっかけを与えたか、または、次も積極的に話しかけたいと思わせたかどうかということです。
自分が上司や先輩であった場合、程度の差こそあれ、「出されたものには何かコメントしなければ」という意思が働きます。
しかし一見して的確だと自信が持てるコメントが浮かんでこなかった場合、純粋な疑問というよりも「~したらどうすんの?」といったような、いちゃもん的な疑問を出してしまったり、あるいは重箱の隅を突いて「ハイ、やり直し」のような、クイズのようなリアクションをしてしまったりする人がいます。
そうしたリアクションは、仮にその指摘によってその後何か情報が生まれたとしても、信頼を失うというダメージのほうが大きいでしょう。部下や後輩としてはだんだん情報を出すのがおっくうになり、やがては必要最低限しか出さなくなり、さらにエスカレートすると、出すべき情報はその人を飛び越えてさらに上の役職の人に直接出したりするようになります。
同じようなことは、経験に基づく勘やコツによって、良し悪しの返事をするときにも言えます。一言で構いませんので、「俺が見た例で言えば、~なこともあったし」など、理由なり根拠となっている経験談をわずかでも補足することで、受け手の印象とモチベーションは大きく変わってきます。
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