知って損はない、働き続けるための心がけ

バックナンバー

第3回
因果応報のタネから、宝を創りあげましょう

②自分ができない具体的なアクションを要求していませんでしたか?

自分ができなかったこと、あるいはできないことをアドバイスしたり指示したりしていた場合、それはあっという間に部下や同僚に見抜かれてしまいます。表面上は「はい、そうですね」と返事されていても、心の底ではバカにされてしまいます。「俺は~な理由でできなかったけど、やってみる価値はあるんじゃないかな?」といったような一言を付けておくか否かで、心証はまったく変わってくるでしょう。

自分ができなかったことを「できるはずだ」と繕って、カッコつける必要はありません。できそう“ぶる”必要もありません。人間誰しも万能ではなく、それぞれに特性があります。先輩や後輩という関係とは別に、お互いの特性を尊重するような姿勢を持っていたかが大切です。自分ができなかったけれどもやるべき課題が見えた場合、自分の特性と課題の相性がどうして悪くて、後輩の特性と課題の相性がどうして良さそうなのか、あるいはタイミングの問題であればどうして●年前ならばできないけれど今ならできるのかを、きちんと説明できれば問題はありません。

企業再生や変革の仕事をしていた時、よく経営者や幹部の方が中堅・若手社員を前にして、「これからこの会社は、~しなければいけない!」と一席ぶつシーンをよく見かけました。会議室ではなく居酒屋であったりすると、いっそう饒舌に将来展望を話したりします。ところが内容の是非がどうであろうと、本人以外の全員が心の中で「いや、そうだけど、一番それをやらなきゃいけない立場だったのはあなた自身でしょ?」と突っ込みを入れています。本人だけは気づきません。当然ながら、その人を中心とした動きは起こりにくくなっていきます。

たった一言、冒頭か最後に「俺は~な理由でそれができなかった。今になって気づいた。すまん。これから改めて一緒に頑張らせてくれ」とでも付け加えておけば、本人にとっても回りにとっても良いことばかりだったのにもったいない。何度もそう思ったことがあります(私にとってはその後の様々なフォローも大切な仕事でした)。

ただ、もちろんかく言う私自身も含めて、完璧なリアクションをし続けるなんて、そうそうできないのが人間です。大切なことは、たまに立ち止まって振り返り、失敗を反省しつつ笑顔で周りと対話し続けて、良い雰囲気の場を作り、役割は各自違えどもそれぞれが組織の大切な1つのパーツになることなのでしょう。

今回挙げさせていただいた2点に加えて、引き続き第4回はもう3点、述べていく予定です。反省ポイントがテーマですのでひょっとしたら耳が痛い内容が含まれていたかもしれませんが、もう少しお付き合いいただければ幸いです。

コメント