江戸の名残を歩く

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第6回
紀州徳川家ゆかりの赤坂界隈を訪ねる・その2


氷川神社入り口

赤坂不動尊を出て、今度は千代田線赤坂駅の方角に向かって歩きましょう。

赤坂は名前の通り坂の多い街で、その鎮守様は赤坂氷川神社といいます。赤坂駅から10分ほどの高台に鎮座しています。林に囲まれた、鎮守の森の空間になっています。江戸の雰囲気を感じさせる空間といえるでしょう。

以前は別の地に鎮座していましたが、暴れん坊将軍こと紀州藩主徳川吉宗が将軍になった後、氷川神社は現在地へ移ります。吉宗の実家である紀州家からは篤く敬われ、明治に入ると、赤坂中屋敷内で使われていた櫓太鼓が奉納されました。この櫓太鼓は、現在でも使われています。

氷川神社鳥居
氷川神社社殿入口

なお、この社地は忠臣蔵とのゆかりもあります。吉良上野介に刃傷に及んだ播磨赤穂藩主浅野内匠頭長矩は切腹し、御家断絶となります。妻の遥泉院は夫の菩提を弔うため髪をおろし、実家である備後三次藩浅野土佐守の赤坂屋敷に戻りました。その屋敷が、この辺りにありました。

のちに、この浅野家の赤坂屋敷は幕府によって取り上げられます。代って、氷川神社が移ってきたというわけなのです。

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