江戸の名残を歩く

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第9回
スカイツリーの建つ押上を歩く

再び浅草通りに戻ります。
左手に東京スカイツリーを見ながら、しばらく歩くと、おしなりくんの家などがあります。東京スカイツリーの関連情報が得られますので立ち寄っていきましょう。おしなりくんとは、押上と業平をあわせた言葉です。この界隈の商店街のイメージキャラクターで、在原業平をモチーフとしています。

春慶寺外観

そのまま浅草通りを進むと、押上駅となり、その前に春慶寺という看板が付けられた高層ビルが現れます。春慶寺は押上の普賢様と呼ばれ、江戸のころより参詣者で賑わった寺院で「東海道四谷怪談」の作者として知られる鶴屋南北の菩提寺でもありました。その墓所も現存しており、浅草通り越しに拝観できるようになっています。

鶴屋南北の墓所

お墓の下をみると、名立たる歌舞伎役者の名前があります。四谷怪談が歌舞伎の人気演目であることが確認できるでしょう。

「岸井左馬之助の寄宿之寺」の石碑

「鬼平犯科帳」にも春慶寺が登場することはご存知でしょうか。鬼平の親友岸井左馬之助の寄宿先として出てくるのですが、そのゆかりをもって「岸井左馬之助の寄宿之寺」という石碑が鶴屋南北のお墓の横に建てられました。
江戸とは程遠いイメージの東京スカイツリーの周りにも、江戸の世界が広がっているのです。

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