第26回
庭木の手入れとは?(その2)
2013.05.28 [田中 造景]
■具体的な目的
剪定には、6つの具体的な目的がある。
1.発芽を促して庭木を生長させる
2.枝葉がいたずらに伸びることを抑制して樹形を保つ
3.良い花や実を付けることを促す
4.風通しを良くして病害虫を防ぐ
5.老いた木に若さを取り戻させる
6.台風や暴風または大雪により、木が折れたりすることのないように枝葉を管理する
それぞれが密接に関連し合っているので、実際の剪定は同時に2つ以上の目的を持って行われていることが多い。
これらを、もう少し詳しく解説するがよ。
樹木の生育を促す
剪定作業の第一の目的は、樹木の正常な生育をうながすことにあるがよ。
木は、枝葉の調整をしてやらんと日当たりや風通しが悪くなり、これが阻樹勢を悪くする原因になることがあるんよ。こうしたことを防ぐためにも、定期的に剪定を行って発芽をうながし、正常な生育を手助けしてやるんよね。
樹形を整える
庭木を放っておくと樹形が乱れ、ほかの樹木や住居との調和がとれなくなるんよ。調和をとるためには、剪定して全体の樹形を整えてやるしかなかぜよ。庭木は剪定した時点で、ある程度人工的なものになるがよ。
良い花や実を付けることを促す
「枝葉の茂りには実少なし」ということわざがあるように、花木や果樹は植えただけでは美しい花も良い実もつきません!
良い花や実を付けるには、理にかなった剪定をしてやるしかなかぜよ。
病害虫を防ぐ
光と風は虫封じというように、樹木には十分な太陽光と適度な風通しが必要不可欠です。
木の上部の奥深くにある枝の基部に日差しを呼び込むのは、おもに木の生長を促すためです。また風通しを良くしてやるのは、病害虫が生息できる環境を事前に取り除くためなんよ。
じゃっから、枝葉の茂った木は思い切った剪定(強剪定)で減量してやらんといかん。
木に若さを取り戻す
弱った樹木は、大胆な剪定で若返りをはかる。
庭木は年をとると、花付きや実どまり(実がつくこと)がどうしても悪くなってしまいます。
そこで、大胆な剪定で古枝を更新し、新たな芽をふかせてやる。樹木を時に若返らせてやるのも、剪定の目的のひとつなんよ。
危険を未然に防ぐ
突風や台風、暴風などの強い風によって、枝が折れて飛散したり、木が倒れたりすると、人畜に害が及びかねんがよ。
このような被害を未然に防止するための剪定も、危機管理が求められる現代では極めて重要な作業となるぜよ。
なお、庭木の剪定するときは、安全帯やヘルメット等、命を守る道具をお忘れなく!
また、常に謙虚な気持ちで樹木にハサミやノコギリをいれてくれんね。樹木にだって命が宿っているんじゃから。
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