第4回
山形県・大胆にして繊細な天童の将棋駒
2011.08.23 [fromNow お取り寄せチーム]
新たな技術を育む後継者の育成に力を入れる
将棋駒は「木地師」、字を書く「書き師」、字を彫る「彫り師」の分業で作られる。小さな駒に美しい草書体で将棋文字を彫ったり書いたりしていく技術は「書き五年」「彫り十年」といわれるように厳しく、職人の高齢化が進んでいる。1996年には「天童将棋駒」が通商産業省(現在の経済産業省)の伝統的工芸品指定を受けるが、一方で、国認定の伝統工芸士のほとんどが80歳近くなり、後継者の育成に力を入れているという。
独特の駒のひとつに「飾り駒」というものがある。
将棋の駒を縁起物に仕立てたもので、豪快な「王将」や左右反転した「馬」の文字「左馬」のものなどがある。左馬は、「うま」を逆さにして「まう」と読み「舞う」とかけて、神事や宴席などめでたい席で舞いが舞われることから、招福の駒としたもの。一説では、左馬の下の部分が丸く閉じているので、財布の巾着の形に見立て、入ったお金が散逸しないと、富のシンボルともいわれている。千客万来の招福駒や、競馬のお守りにする人もいる。土産物としても、キーホルダーや飾りの置き駒は人気がある。若手の育成が進んで、こうした飾り駒に新しいデザインのものが登場すると、また、新たな人気になるかもしれない。ダイナミックで知的な将棋に欠かすことができない、日本らしい木と漆の技術が結集した駒の継承と新たな未来に、期待したい。
前述した、天童桜祭りの人間将棋とは、人間が巨大な将棋の駒となり、将棋を戦国時代の戦に見立てて将棋盤を模した「戦場」で相手軍と戦うというもの。1956年から行われている有名なイベントで、1972年からはプロ棋士を招き、1992年からはその棋士が指揮をとることでも知られている。生活のために書や彫り物の技術を活かし、将棋駒の製造をはじめた古の武士たちも、こんなイベントが行われるようになるとは想像もしていなかっただろう。今年は、震災に対する配慮から中止となったが、ぜひ、来年は復活して欲しいものだ。
●てんどう 観光物産 道しるべ 通販コーナー
将棋の里・天童《飾り駒シリーズ》
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天童名産《天童の指し駒》本つげ、将棋盤、駒台
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●東北経済産業局 伝統工芸品 山形県 天童将棋駒
http://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/densan-ver3/html/item/yamagata_04.htm
●天童商工会議所「天童春の風物詩 人間将棋」
トップ>プロフィール>事業>観光イベントガイド>人間将棋
http://www.tendocci.com/event/humanchess.htm
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