私が見つけたライフワーク

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第5回
「共食」を目指して

今年、政府が掲げた「第二次食育推進基本計画」の重点課題は、以下の3点です。

1)生涯にわたるライフステージに応じた間断ない食育の推進

つまり、一人一人が世代に応じた食育に関する取り組みを行なえるよう、情報提供していくということです。

2)生活習慣病の予防及び、改善につながる食育の推進

つまり、メタボリックシンドロームや糖尿病の患者およびその予備軍に対し、食育を進めていくということです。

3)家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進

つまり、学校や保育所、また地域が連携して、共食そして食育を推進していくということです。

食育に興味を持ったことから「ママkidsネットワーク」を立ち上げた私が注目するのは、やはり三番目の「共食を通じた食育の推進」です。
「共食」という言葉を聞いて、私の頭に真っ先に思い浮かぶのは「サザエさん」。家族みんなでちゃぶ台を囲み、「お母さん、これおいしいわ」などと食事について話すのはもちろん、今日あった出来事を報告し合ったり、時に子どもを叱ったり励ましたり…。「サザエさん」こそ、共食の代名詞と言えるのではないでしょうか。

共食をはじめ、家族のコミュニケーションを濃密にし、子どもが安心して成長していける場を作るのは、本来、親であるべきです。
しかし、それを作れない親が増えているのも、事実です。
昨今よく取りざたされる、犯罪を起こしたり、キレやすい子ども、あるいは自室にずっとこもったりしてしまう子どもの多くは、家庭に何らかの問題があると考えられています。それがやむを得ない事情が背景にあるならまだしも、親が子どもに無関心だったり、著しく非常識(いわゆるモンスターペアレンツ)だったりする場合は、まず親自身に教育が必要ということになります。親とはどうあるべきか、それを改めて学ぶ「親学」も今、注目を集めています。
また、一生懸命に子育てをしているけれど、悩みや苦労を分かち合える人がおらず、ストレスを発散する術(すべ)もわからないまま、一人ですべてを抱え込み、それが最終的に子どもの非行や家庭崩壊につながってしまうケースも少なくありません。

では、子どもたちが健全に育つ環境を作るには、どうしたらよいのでしょうか。
そこで、地域や周囲に目を向けてみたいと思います。
地域といっても、何も昔のように隣近所と密接なつながりを持てという話ではありません。一人で悩みやストレスを溜め込むことなく、ギブアンドテイクの関係を持ち、子育てを一緒に「楽しめる」仲間を見つけてみましょうということです。そうすることが、母親の心のゆとりを生み出し、家庭の平和につながると思うのです。

「ママkidsネットワーク」でも、「ママ」という同じ目線で悩みを共有したり、解決策を模索し合えたりする場を作っていきたいと思います。本音を吐露し合うことによって、ストレスが発散できたり、解決のヒントが得られたりして、それが結果的に家庭における問題を「芽」の時点で摘み取れることになれるかもしれないからです。
また、ホームページでも、「親学」をテーマにした企画を検討しています。

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