今さら聞けないワインの話

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第16回
ドイツの夏のワイン?

この時季になると、フランクフルトの町中には、あるワインがお目見えします。
クリスマスシーズンにドイツでホットワインが飲まれるという話を第8回「クリスマスとワイン」でしましたが、夏のドイツには、どのようなワインが飲まれるのでしょうか。

というわけで今回は、「アップルワイン」についてです!ドイツ語では「アプフェルヴァイン」といいます。
ビールがとても有名なドイツですが、夏場には、屋外で催されるマーケットに、何件ものアップルワインのお店が並びます。
フランクフルト周辺ではリンゴがたくさん収穫できるそうで、地元の人にとっては身近なお酒であり、有名なお酒の一つとしても挙げられます。

このアップルワインは、大きなポリタンクのような容器に入れられており、そこからドクドクとジョッキに注がれます。だいたい1杯が大ジョッキくらいの大きさで、2~4ユーロ(200~420円くらい)で売られています。
これを片手に、ザワークラウト(キャベツの塩漬け)やソーセージをほお張る人々の姿が、そこかしこで見られます。その光景を見ているだけで、つい「私も!」と言ってしまいそうな香りと迫力があります。しかも、ソーセージにアップルワインが合うのです!


店先には、たくさんの新鮮なリンゴも並んでいるのですが、思わず手を伸ばしたくなるようなみずみずしさ。

暑い中、冷えたお酒を飲むのは、お酒好きにとって最高の喜びですよね!
しかも、ヨーロッパはサマータイムを取り入れていますので、夜10時近くまで明るいのです。いつまでも飲んでいられる気分になってしまい、そのときも気付いたら夜11時…。外が明るいと、いつまでも夕方の気分で飲めるので、酔いが回るのも早いですし、気分もとても良いものです。昼間や夕方に飲むお酒が心地良いことは、皆さまもご存じですよね。
しかし、デメリットもあります。飲み過ぎてしまうんです。ん~でも、それも幸せ!

このままですと、私の「お酒好き」の話だけになってしまいますので、アップルワインの話題に戻しましょう。

もともとアップルワインは、ヘッセン州(フランクフルトがある州)の伝統的な特産品で、リンゴを絞って発酵させたものです。
アップルワイン自体は、フルーティーで酸味がありますが、さわやかで飲みやすいお酒です。私はまだ出会っていないのですが、リンゴの種類によっては甘味が強いものもあるようです。
アルコール度は5%ほどで低いのですが、お酒が苦手な方は水やソーダ水と割って飲んだりします。つまり、シードルのようなイメージです。しかし私にとっては、5%程度のお酒を水で割るなんて、もったいない…(笑)。

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