今さら聞けないワインの話

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第23回
一度の食事で10数種類のワインを頂いた話

魚料理は、皮目をあぶったサーモンをバーボンの樽(たる)で薫製にした変わり物。添えられたバーボンのジェリーと共に頂きます。ちなみに、木樽の破片に料理が並び、樽香が香るように下からあぶられながら出てきました。


これに合わせて出されたのが、リオハの赤「ムガ リゼルバ2004」でした。
赤いベリーから、トーストしたオークやコーヒーのテイストへと変化する、深みがあり香り豊かなバランスのとれたワインでした。
さて、「魚料理には白なのでは?」と思った方もいるでしょう。特にサーモンには白を合わせたいですよね。私もそう思いました。
でも、ギャルソンの話によると、この赤で良いのだそうです。なぜなら、このサーモンには、既に熟成したウイスキーの香りが付いているため、もし白を合わせると、ワインの味がサーモンの味に負けてしまうそう。頂いてみて、納得しました。


肉料理は、3種類のラムが出されました。
それに合わせて出して頂いたのが、レバノンの1999年の赤ワインでした。
日本にいると、ほとんど目に触れることのないレバノンワインですが、意外にもワインの歴史は古いそう。
日照時間が長く、アルコール度数が高く、時間をかけて作られているだけあって、タンニンがよく溶け込み、ボディが丸みを帯び、口当たりが非常になめらかでした。熟していながらも赤い果実味の風味が感じられ、酸味もしっかりしています。
濃度があって品がよく、ラムにぴったりでした!


レバノンワインにも驚いたのですが、さらに驚いたのは、50種類ものコンディメント(調味料や薬味)。お肉と一緒に頂くものです。
このジュエリーのような小さなキューブたち(画像参照)は、ローズマリーなどハーブ系のものから、ゆず果汁をジェリー状にしたものなどの果実系のもの、またシナモンや八角などのスパイス系や、ブロッコリーなどのお野菜系などさまざまな種類があります。トリュフやキャビアなど、見た目ですぐにわかるものもありましたが、大半は口にしないと何か判別できないものばかりでした。
お肉が小さいため、すべてのコンディメントを料理と共に頂くのは難しく、最後はコンディメントだけで頂いてしまいました(笑)。

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