今さら聞けないワインの話

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第27回
出会い (その1)

入手困難なヴァンジョーヌ

先日は、ヴァンジョーヌ(VAN JAUNE)に出会ってしましました。
ヴァンジョーヌという名前自体、ソムリエ試験で勉強した以来耳にしたことはなく、今後も出会うことはないと思っていましたので、自分がお食事に合わせて頂くなんて思ってもみませんでした。

ヴァンジョーヌとは、VIN (ワイン)JAUNE(黄色の)という名前の通り、黄色いワインなのです。しかしながら、日本ではまだまだその知名度は低く、こちらを置いているお店は少ないと思われます。
また、私が頂いたものは、ソムリエの方が自らジュラ地方に出向いてオークションで落としてきたというなかなか入手できないもので、しかももう後継者がいないため作られていないものだったのです。さらにそれは、約20年もの!そんな1本に出会えたときの感動は素晴らしいもので、心から感謝しています!

ヴァンジョーヌは、フランス東部、スイスとの国境にあるジュラ地方というところで作られる、個性豊かなワインです。ジュラ地方といえば、コンテという牛乳から作るハードタイプのチーズの産地でもあります。

昔々ある蔵の中で、長年忘れられていた樽(たる)の中に黄金色に輝くワインが偶然見つかり、それがヴァンジョーヌの発祥といわれています。神秘的なワインです。
ブドウ品種は、サヴァニャンのみ。サヴァニャンは、白ワインを作るときに使われるものですね。 途中までは白ワインと同じ作り方なのですが、特徴的なのは、熟成過程で樽にウィヤージュ(目減り分の補充)を しないところ。つまり、樽の中の空間を維持することで、産膜酵母が繁殖し、発酵していき、熟成と共に表面をおおっていた産膜酵母が消え、ワインが酸化するのです。


クラヴランのボトル

また、発酵後の熟成期間は最低6年3カ月以上という厳しい決まりもあります。
このヴァンジョーヌは、クラヴランという620mℓのボトルに詰められます。これは6年3カ月の熟成期間中に1ℓのワインが減量し、最終的に残った量なのです。
ヴァンジョーヌの中には、100年間熟成されたものもあります。先述したように、まさに熟成すればするほど良い方向に向かっていく、長期熟成に耐えうる子なのです。

なかでも最高級といわれるのが、「シャトー シャロン」です。
シャトー シャロン…ソムリエ教本でひたすら暗記をした日々を思い出させる、この単語。4年経った今になって、やっとこの単語を使う日がきました(笑)。

ヴァンジョーヌは、アーモンドなど木の実のような香りが特徴で、酸味が強く、シェリーのフィノに似ている感じもあります。
ナッティで上品なワインですが、単体で飲むよりクリームやバターなど油分たっぷりのフレンチとのマリアージュがオススメです。
ソムリエ教本には、ヴァンジョーヌのマリアージュの模範解答は「コックオーヴァン(雄鶏の黄ワイン煮)」とあるのですが、なかなかコックオーヴァンを口にすることはできませんよね。
そんなときはぜひ、ジュラ地方で作られる「コンテ」というチーズと合わせてみてください!きっと新たな発見があるはずです!

このように、ワインは奥が深く、知れば知るほど、本当に面白いんです!
今回は、おもにヴァンジョーヌとの出会いについてお話ししましたが、次回は私の大好きなシャンパーニュとの出会いについてお話しします。

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