今さら聞けないワインの話

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第7回
ボジョレー・ヌーボーの秘密

ここからは、世界の「ヌーボー(新酒)」を見てみましょう。

7月中旬:「チリヌーボー(サマーヌーボー)」(チリ)

赤、白ともに作られており、お手頃価格。カベルネ・ソービニヨンやメルロのヌーボーは、イチゴのような甘い香りで、飲みやすいのが特徴です。

11月1日: 「ディアノイエ」(ドイツ)

ミュラー・トゥルガウ種が主体の白ワイン。小花のような柔らかい香りとりんごのような果実香が特徴です。

11月3日:

これは一体何でしょう?(答えは後述)

11月6日:「ノヴェッロ」(イタリア)

プリミティーボ種や、イタリアンワインの王様や女王と呼ばれる「バローロ」や「バルバレスコ」に使われるネッビオーロ種などが使われています。まろやかですが、しっかりとした心地よいバランスが楽しめます。

11月11日: 「ホイリゲ」(オーストリア)

リースリング種などが使われ、白がメインです。農家が自分の畑で作った新酒を飲ませる居酒屋も「ホイリゲ」といい、そこでほとんど消費されてしまうため、あまり数多くは輸出されません。

また、日本酒の新酒の一種として、本来は冬に醸造して6月までに出荷される新酒を、さらに秋まで熟成させ、火入れをせずに出荷させる「ひやおろし」は、9月9日(日本酒業界が設定したひやおろし解禁日)から11月ごろにかけて出回ります。よってお酒好きな方には、11月こそが“味覚の秋”かもしれませんね。

さて、11月3日はどこの国の新酒の解禁日でしょう?
正解は、日本は山梨県の「山梨ヌーボー」です。ブドウ品種は日本固有の甲州種とマスカット・ベリーAで、白ワイン・赤ワインの両方を作っています。
日本最大のワイン生産量を誇り、80社ほどのワイナリーが集中する山梨では、「ボジョレーだけがヌーボーじゃない」と題し、ボジョレー・ヌーボー解禁に先立つ11月3日を「山梨ヌーボー」の解禁日と決め、その年の収穫を喜び、感謝し、お祝いするワインとして、地産地消を目指しているそうです。
山梨ヌーボーもとてもフルーティでお食事を選ばないため、幅広いお料理とのマリアージュ(組み合わせ)が楽しめると思います。

私も、ボジョレー・ヌーボーは毎年飲みますが、いつもマリアージュには頭を悩ませます。赤ワインより白ワインに合うお料理を…と思いつつ、うっかりお肉料理をたっぷりごちそうになってしまった時でも、結局おいしくいただいています(笑)。

ちなみに、意外においしいのがスイーツとのマリアージュです。スイーツは、例えば旬のブドウを使ったケーキやゼリーなど。少し冷やしたボジョレー・ヌーボーと、フレッシュなブドウや生クリームたちの新しいハーモニーを、ぜひ一度お試しください。

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