第62回
バーチャル体験ができるFIRST AIRLINES
2017.02.23 [蓮實 真知]
昨年末のことになりますが、ある一人の男性から「TIME TICKET」にコンタクトがありました。
「TIME TICKET」とは、WEB上で自分の時間をいくらで買っていただくかというアプリケーションで、私は、そちらに、ワイン講座を載せているので、そのご依頼かと思っていました。お約束の日時に、お約束の場所に伺うと、まるで、機内のような雰囲気のお部屋に通してくださいました。
話を進めていくと、ワインのご相談というよりは、アルバイトの方々の指導をして欲しいとのこと。そこは、池袋に居ながら、ニューヨーク、パリ、ミラノにバーチャルで旅行ができるというエンターテイメント施設でした。機内さながらのお部屋には、トルコ航空で、以前使用されていたというファーストクラスとビジネスクラスの座席が12席並んでおり、サービスカートやジャンプシート(CAが座る座席)などもありました。
アルバイトの方々は、現役大学生、専門学生で、主にCA志望の方々で、それまで指導にあたっていたのは、元客室乗務員ということには驚愕しました。それまでの指導者が、退くということで、私が呼ばれ、幸い、スケジュールが空いていたので、お受けすることにしました。当初、アルバイトに合格した方のうち、半数が、既に就職がエアラインに決まっていたことを知り、志の高さを目の当たりにするのでしたが、皆学生で、経験者ではない方にCAの仕事の流れをお伝えするのは容易なことではなく、身だしなみをきちんとすることから教えたのですが、前髪が目にかかってしまうことや、きちんと髪をまとめることが日常的に身についていないため、どうしてダメなのかということから教えるという、道のりの長いものでした。もちろん、現在は、皆、身だしなみもきちんとしているはずなのですが・・・
この体験ができるのは、「FIRST AIRLINES」というバーチャルエアラインなのですが、予約からスタートし、チェックイン、搭乗、離陸、航行中、着陸、降機という一連の流れを約2時間で体験することができます。もちろん、スタッフは、CAの制服を着用しています。途中、VR(バーチャルリアリティー)を使用して、これから向かう目的地の街並みを見ることができたり、現地のリポーターが街中を案内してくれたりもします。
その後、お食事のサービスがあり、機内販売が行われたのち、着陸態勢に入ります。こちらのオーナーは、旅行に行くワクワク感、飛行機に乗るワクワク感を身近に味わって欲しいということから、この場所を作ったとお話しされていました。確かに、私は今でも、空港に向かったり、飛行機に乗ったりするとワクワクしてしまうので、その高揚感を味わえるのは嬉しいことだと思いました。
最後に「FIRST AIRLINES」に指導に伺った際、日経トレンディの記者の方が取材にいらっしゃり、その後、その方の
記事を拝見したのですが、指導にあたっていた私のことを「厳しく指導している姿」と書かれていたことには、そのように映っていたのだと思うと、少し笑ってしまいました。
12月中旬にオープンしたのですが、オープンしてすぐに、某情報番組でも取り上げられていたようで、それを見た友人から、話を聞いたところによると、オープンしてすぐに2016年のフライトは満席で、旅客の方は、CA志望の学生の方が多いとのこと。立地が、立教大学の近くなので、それもあるかもしれませんが、8千円ほどで、この体験ができることも魅力かもしれません。普段、ファーストクラスやビジネスクラスに乗られている方は、物足りなさを感じることと思いますが、テーマパークに行くような気分で、訪れていただけますと、楽しめるかもしれません。
こちらのお仕事を頂戴しまして、改めて、ワインバーをやりたい気持ちが高まりました。私の頭の中に構図はできているのですが、私もCAを絡めて、ワインを飲める場所を作りたいのです。最初にこれを思いついたのは、もう10年近く前になるのですが、幸いにも、今まで、やりたいことを形にしてきたつもりなのですが、この夢だけが、まだ叶っていないのです。久しぶりに、この気持ちをかき立てられましたので、近い将来、実現させたいと思っております。
FIRST AIRLINES http://firstairlines.jp/
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