第16回
シニアソムリエの壁
2014.06.04 [蓮實 真知]
アルネイス、カッリカンテ、アルテス、ガルガーネガ、ナチュレ、ミスケット、ムールヴェドル、モナストレル、ティントフィノ、プリミティーヴォ、ボナルド、ガムザ、ガリオッポ・・・
呪文みたいですよね・・・笑
これ、全部ブドウ品種なんです。でも、これは、ほんの一部。まだまだ、ブドウの品種は、たーーーくさんあります!
先日、シニアソムリエ試験を受けてきました。一次試験は、筆記試験とテイスティング。筆記試験の全ては、自分の記憶力にかかっています。タウンページのような教本を、毎日持ち歩き、ステイ先にも毎回持って行く、そんな最後の1ヶ月を過ごしました。
5年前、ソムリエ受験前も、こんなに勉強することはもう無いのではないかと思っていましたが、またしても、この時を迎えてしまったのです。とにかく暗記・・・。カラーページがほとんどない白黒の教本と、にらめっこの日々。呪文のようなカタカナたちを何度も口にして覚えて、忘れては、覚えての繰り返しでした。自分の記憶力の悪さにうんざりしながら・・・。
また、シニアのテイスティングは、主要品種でないものが出題されるとにらんで、以前に増して、ブラインドテイスティングの勉強にも、力を入れました。ソムリエの師匠に紹介してもらったワインバーで、毎日、数種類の赤ワインと白ワインをブラインドテイスティング。はじめは、なかなかそれぞれの特徴をつかめず、かなり苦戦しました。いつも好きで飲んでいるワインたちなのに、ブドウ品種を当てることができずに撃沈。ワインバーの店長のKさんに、色々教わるも、「なんでこんなのがわからないんだ?」的なそぶりに、またもや撃沈。特徴をノートに書き、何度も何度も香りを嗅ぎ分ける・・・そんなスタートでした。
夕方までは、筆記試験の勉強をし、それから、ワインバーに行く、というサイクルで、毎日を過ごしていたものの、ブドウ品種を当てられない自分への苛立ちと、Kさんからダメ出しされる恐怖感とで、夕刻を迎えると、ワインバーに行きたくない症候群にまでなったほど。笑
その隣には、いつも、共に同じ試練を乗り越える仲間が居て、何度、Kさんに「言葉のパンチ」を食らわせられながらも、「冷ややかな視線」を送られながらも、どんなに、へろへろになっても、起き上がり、立ち直り、傷をなめ合い、挑み続けたのでした。
ブラインドテイスティングをすること4日目、徐々に品種の特徴をおさえていき、当たる数も増えていき、少しずつ自信がついていくのを実感していくものの、新しく出題されるブドウ品種に、またもや撃沈する・・・の繰り返し。
あまりのできなさに、「どうして自分はソムリエになれたのだろう」と自問することもしばしばありました。
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