第27回
機内でCAソムリエのサービスを楽しむ
2015.01.13 [蓮實 真知]
ある便で、私が、ファーストクラスを担当した時のこと、その時のお客さまは、私がソムリエバッヂを着用していることに気付いてくださいました。お話をすると、ワインがお好きとのこと。また、機内食にもとてもご興味を持ってくださっていて、お食事も楽しみにしているとのことでした。すると、その方は、最初は何から頂けば良いか?と聞いてきました。そして、その後も、全てワインは私に任せるとのこと。更には、そのお客さまは、次々と私が出すワインを当ててみたいとのことで、片手にはペンと紙が用意され、アペリティフが始まったのでした。なかなか、このような楽しいサービスをすることも無かったので、私自身もとても楽しくなり、お客さまが選んでくださった和食のメニューとにらめっこしながら、ワインをチョイスし始めました。
お肉の前菜に合わせた赤ワイン
「ニュイサンジョルジュ2007」
お魚とお野菜の前菜に合わせた白ワイン
「アルガブランカ イセハラ2011」
サロン1999
最初は、「サロン 1999」を提供しました。でも、マニュアル通りに提供するのではなく、シャンパンフルートとワイングラスとの二つのグラスを持って行き、両方のグラスに「サロン」を注ぎました。理由は、香りの違いを、ぜひ楽しんで頂きたかったからです。お客さまは、「サロン」が提供されるだろうと予想していたそうですが、まさか、グラスが二つ用意されるとは思っていなかったと喜んでくださいました。その後は、6種類の小鉢、それぞれにワインを合わせて欲しいとのこと。内容が海の幸から山の幸まで、色々でしたので、シャンパーニュも続けてもらいつつ、お魚とお野菜の前菜には「甲州」と「獺祭」(日本酒)を・・・お肉の前菜には「ニュイサンジョルジュ」を出してみました。ま、ここでも、フライングで、「獺祭」をお出ししているので、お客さまとしては、やられた、という感じでしたが、この調子で、最後まで、ソムリエとのやり取りを楽しんでくださいました。
なかなか、ここまで、ソムリエを必要としてくださる方は機内にいらっしゃらないので、私も、とても楽しむことができましたし、その後の参考にもなりました。また、マニュアルを超えたワインの提供を考えながらサーヴすることができるようになり、ワイン好きのお客さま探しが楽しくなったのも事実です。
ソムリエバッヂを着用していても、宝の持ち腐れのCAも居るはずですので、もし、機内でCAソムリエを見つけたら、ぜひ、サービスを楽しんでみてください!きっと今までと違ったワインの楽しみ方があるはずです。
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