私が見つけたライフワーク(3)

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第1回
プノンペンでのシンポを終えて

新しい社会貢献に挑戦

先月、カンボジアの首都プノンペンで、ARUN(アルン)合同会社における2011年の成果を報告するシンポジウムを開催しました。日本大使館やJICA(国際協力機構)ほか、カンボジアで新たな潮流となりつつある社会的企業(社会問題の解決を目的とした事業体)に関心を持つ方々が、カンボジア人を中心に100名以上も集まる大きな会合となりました。
新しいコンセプトである「社会的投資」に、これほど大勢の方々にご注目いただき、またシンポジウムにご参集いただけたことに、驚きと共に今後ますますうまくワークさせていかなければと、改めて身の引き締まる思いがしました。

当日は、ARUNの投資先である社会的企業の事業報告に魅了された一方、最前線の起業家が直面している課題も再認識させられました。
例えばカンボジアには、NGOを株式会社化することで、寄付依存から抜け出し、自立を目指そうとする組織が少なくありません。しかし、起業家のビジネスに向き合う感覚に周囲がついていけないなど、一筋縄ではいかない部分もあるのです。
ともあれ、カンボジア社会が、無償の援助や寄付に依存することから、自分たち主導でビジネスを行うという新しいステージに移ったこと、そして「ビジネス」×「投資」×「社会貢献」に対して具体的な課題を話し合う場が必要とされていることを、改めて実感できたシンポジウムでした。

ARUNとは?

はじめまして。功能聡子(こうのさとこ)と申します。
私は、2009年にARUN合同会社を設立、日本発の社会的投資プラットフォームの構築を目指して活動しています。
ARUNは、途上国の起業家の活動を「社会的投資」を通じて応援する会社です。社会的投資とは、投資先の事業が貧困削減や環境保全など社会的なインパクトを与えると同時に、自立して運営できるような資金面でのサポートを行うことを目的とした投資です。従来の寄付や援助という形ではなく、投資という形で途上国の発展を支えていこうとしているのです。

現在、ARUNはカンボジアの社会的企業3社に投資しています。
原資は、日本の個人や法人から合同会社への出資という形で集め、ARUNの現地事務所と投資チームが発掘した案件を丁寧に選定して投資。出資者の知見を生かしながら現地の起業家へのアドバイスを行い、事業の成長を支援しています。

ARUNの投資家は、現在65名の個人と1法人。投資家の年齢層は20代から70代までと幅広く、彼らの職業も、国際協力関係、金融、シンクタンク、メーカーから主婦までとさまざまです。若手のビジネスパーソンなどは、本業で培ったスキルで社会貢献したいと、深夜や週末を使ってARUNの活動に情熱を注いでくださっていますし、シニアの方たちは、優秀で志の高い若者を自身の豊かな知識や経験を生かして応援したいとの考えで、参画してくださっています。また、カンボジアの起業家の熱意に啓発され、ARUNの活動に生きがいを感じるようになったとおっしゃる方も多数いらっしゃいます。

私がなぜこのような活動をはじめたかについて、節目節目に出会った方々や触発された出来事を思い返しながら、今後お話していきたいと思います。どうぞご期待ください。

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