第2回
岩村先生との出会い
2012.02.21 [功能 聡子]
途上国の人と向き合う
最近、大学生の前で講演した時のこと。
会場から、「ボランティア、特に途上国支援というと“同情”というイメージがありますが、先生はどういう気持ちで途上国の人と向き合っていますか?」という質問がありました。
表面的な関係ではなく、心のあり方を真剣に考えている学生さんがいることを嬉しく思うのと同時に、途上国のイメージがいまだに「かわいそうな国」という固定化したものだとしたら、それはとても残念なことだと思いました。
私自身、カンボジアで国際協力の仕事をするようになってから、政府との交渉や日本の本部とのコミュニケーションがうまくいかず、自分自身の力量不足に悩む時も多くありました。
しかしそんな時、私を支えてくれたのは、現地の人たちとの素朴で率直な交流だったのです。
物もお金も乏しかった時代の日本を経験したことがない私たちには、岩村先生のように途上国に“ふる里”を見出すことは難しいかもしれません。でも、一緒に働いたり、学んだり、食事をしたりする経験をしてみると、カンボジア人の大らかさや寛容さに慰められ、助けるつもりが逆に励まされたり助けられたりすることが多いのです。
先日、カンボジアで開催したビジコン(第一回目のコラム参照)に参加した学生さんも、「カンボジア人学生の熱心さと頑張りに驚いた。自分も自立しなくてはと思い、就活に真剣に取り組むようになった」と言います。
岩村先生との出会いを通して、「人助けに徹する人生」こそ、実は本当に豊かな生き方なのだということを教わりました。
そして私は、途上国の人と力をあわせて共に生きる人生を送りたい、という志の種をいただいたのでした。
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