第6回
カンボジアを救う「天然はちみつ」
2012.07.31 [功能 聡子]
一方、環境保全の観点からはどうでしょうか?
かつて国土の70%以上を占めていたというカンボジアの森林。内戦や違法伐採の影響による森林面積の減少が止まらず、2005年以降は、毎年12万ヘクタールの森林が失われているといわれています。森林が減ったため、貴重な野生生物が減少し、生物多様性も損なわれています。
そこで、住民たちの手で森林資源を持続的に管理・活用していこう、というコミュニティフォレストリーの動きが盛んになってきました。生産者組合のメンバーは、森林パトロールにも参加し、はちみつの売上の一部を森林保護活動にあてています。天然はちみつの採取は、カンボジアの森を守ることにも直接つながっているのです。
ASEAN食品展にも出品しました
ARUNでは、この生産者組合から天然はちみつを買い取り、精製、流通、販売している現地企業に投資をするとともに、JICA(国際協力機構)から受託した調査事業を通して、品質管理や製品開発への支援を行っています。この支援には、日本の養蜂場さんや化学メーカーさんも協力してくださっています。冒頭の社長さんには、「ラベルやパッケージもいいね」とほめて頂きました。
日本でカンボジア産天然はちみつを味わうことができる日も、もうすぐ。この小さな事業が、カンボジアの人々の夢の実現につながることを願っています。
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