私が見つけたライフワーク(3)

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第8回
国際シンポを終えて


国際シンポジウムのパンフレット

このコラムでもご紹介させていただいた社会的投資の国際シンポジウム(※)を、先日東京で開催しました。途上国の社会起業家を応援する「社会的投資」を世界中で実践されている先達を、オランダ、米国、インドからお招きして、実績と経験談から学ぼう、そして共にこれからの「社会的投資」の在り方について考えよう、という目的のイベントでした。


国際シンポジウムで基調講演をするベン・シムズ氏

お招きしたゲストは、世界を代表する社会的投資機関から3名。オランダからは「オイコクレジット」代表のベンさん、インドからは「アビシュカール」代表のビニートさん、米国からは「アキュメンファンド」のモリーさんが来てくださいました。
ビニートさんは、10年前に事業をはじめた創業者。モリーさんは設立当初から事業に参画し、インドでの事業を統括した経験もあります。お二人とも具体的なエピソードを交えて、社会的投資の現場の躍動感を余すところなく伝えてくださいました。
一方、1975年に設立されたオイコクレジットは、社会的投資機関の草分け的存在。ベンさん自身は、オランダの大学で開発経済学を学んだ後、フィリピンやパプアニューギニアをはじめ、途上国の現場で長年にわたり開発支援に取り組んでこられたベテランです。
ベンさんからは、オイコクレジットでの16年間に渡る経験に基づいたお話を聞くことができました。
それぞれのお話を聞きながら、世界の最前線で新しいお金の流れをつくろうとチャレンジされている方々の魅力を改めて感じた2日間でした。


ベン・シムズ氏(左から二人目)

実は、ベンさんとは、4年前にお会いして以来、久しぶりの再会でした。当時のことを少し振り返ってみましょう。
2007年後半から社会的投資を日本で実現するために調査をはじめた私たちは、2008年夏、ARUN設立の準備の一環でヨーロッパ各地の社会的投資機関を訪問していました。
ジュネーブ、パリを経て、オランダの首都アムステルダムへ。オイコクレジットの本社は、アムステルダムからさらに列車で南東に約1時間走ったアマースフットという緑豊かな街の近代的なビルの中にありました。
ベンさんは笑顔で私たちを迎え、オイコクレジット設立の背景となったヨーロッパの人々の問題意識と、オイコクレジットが重視するフェアトレードへの取り組みや女性の自立の機会の提供といった活動内容について話してくれました。

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