第8回
枯れ山に咲く早春の妖精
2012.05.08 [西原 升麻]
ここで、最初に出てきた山のことを紹介しておきましょう。山の名前が「鉱石山」なので、何か鉱物に関係があるのは分かります。日本で鉱物といえば金や銀が有名ですが、ここの鉱石はそういうものではなく、宝石にもなる鉱物です。それは「ガーネット」。よく知られた宝石です。残念ながらここの鉱物は宝石にはならなかったようですが、みなさんがご存じの赤い「紙やすり」の研磨材として利用されていたそうです(ただし、今は人造の鉱物を使うそうです)。
トロッコで使われていたレールの跡です
ここには昔、その鉱山があったそうで、「ズリ」と呼ばれる使用されない部分を運ぶためのトロッコに使われたレール跡が残っています。
そこから記念に小さい鉱石を拾ってきました。非常に小さいけれど、ザクロ(別名「石榴石」とも呼ばれます)のように暗赤色をしたガーネットの結晶が見られます。
小さいながらも日本の地で宝石に出合えるとは、得をした気分になります。
- 岩の上にあったガーネット
- 拾ってきた小さい石にあるガーネット
山に行く主目的は花を見ることですが、ときには花以外の「おまけ」に出合えることもあります。今回は妖精のような花と宝石混じりの石の花にも出合え、まさに「両手に花」状態の楽しさでした。
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