私が見つけたライフワーク(2)

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第17回
山で修行しているような山野草

正月が過ぎ、2月に入ってもまだ寒い日が続きます。
この2月という月は、人間にとって1年の中でもっとも変わった月です。普通の年はひと月が28日しかありません。
その昔、日本は陰暦で、2月が30日まである場合もあったそうですが、現代でも短いと感じるのに、新暦に変わって2月が一遍に2日も減ったとき、当時の人々はさぞ面食らったのではないかと思います。

暦の月としては変な月ですが、花にとっては春が始まる大事な月だといえます。フクジュソウやセツブンソウなどの、超早春の花が咲き始めるのです。
しかし、少し山の中に分け入ると花はまず見られません。ただ、そんな山の中で2月になると見られる花があるのです。その名はザゼンソウ、標高がそれほど高くない山では、2月の初旬から顔を出します。

顔を出した、赤いタケノコのようなザゼンソウ
顔を出した、赤いタケノコのようなザゼンソウ
青っぽいザゼンソウ
青っぽいザゼンソウ

最初は、水中や水分の多い泥の中から顔を出し始めます。2月の山の中ですから、当然雪もあるのですが、寒さも何のそのという感じで顔を出してきます。
ザゼンソウが生えているところは湿地帯であり、私が見た赤城山の自生地も沢沿い周辺に細長い地形の湿原が形成されています。湿原なので、間を歩けるように木道が設置されていますが、他の自生地のように公園化はされておらず、周りの自然はそのまま残っています。

ザゼンソウが最初に顔を出したときは、まるでタケノコが地表に出したような姿をしています。ザゼンソウの外皮は普通赤褐(せっかっしょく)色をしているので、いわば「赤いタケノコ」です。ただ、よく見ると青っぽいものもあり、こちらは「緑のタケノコ」です。出始めは2種類の色があるのかもしれません。

緑の皮を破って赤い顔を出してきます緑の皮を破って赤い顔を出してきます

その後、何回か見に行ってみると面白いことがわかりました。最初緑色だったのが、その後、皮を破って中から赤い外皮をのぞかせているものがあったのです。
普通、ザゼンソウの外側は赤いと説明してあるだけなので、緑だった外皮が割れて中から赤い外皮のザゼンソウが現れてくるものがあるとは、少々驚きました。知らなかったことを見つけるというのは、小さなことでも嬉しいものです。

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